QUADU. 8台目修理
同時修理 QUADU. 7台目  2019/7/14到着  8/14完成
M. 到着時の梱包状況

A. 修理前の状況

  • 十数年前にヤフオクで購入しました。
    前所有者は英国のQUAD社に送ってオーバーホールを施しており、よい状態でした。
    数年経過したのち、片方のアンプの音が聞こえなくなったため埼玉県所沢市のWestern Laboに持ち込んで修理してもらいました。
    故障の原因はEF86の玉切れでした。
    このように、恥ずかしながら私自身は初歩的なメンテナンスもわからないド素人です。
    QuadUを購入した当時はQuad22とのペアで使っておりましたが、CDを聴く機会が増えたためその後プリアンプをCounterpoint5.1に変更しております。
    今回の故障ですが、スイッチを入れてから5分くらい経って機器が温まり出すと片方アンプ(7台目)から唸り音が聞こえるようになり、出力も下がります。
    スピーカーを繋ぎ変えるとそちらから雑音が発生しますが、プリとの接続でRCAコードの左右を替えても雑音の発生源は同一スピーカーからです。


B. 原因
  • 各部経年劣化。
    通電後5分くらい経っと歪みが数10%に上がります、唸り音は未確認。

T. 電源トランス点検
  • 層間絶縁破壊(巻き線間短絡)の点検。

TO.出力トランス点検。
  • 層間絶縁破壊(巻き線間短絡)の点検。

C. 修理状況

U. TubeTester HickokTV−2B/Uによる付属真空管測定
  • 6267 Gm、IP測定。
    • 6267(EF86)相互コンダクタンス=2000μmho、Ip=3mAがRCAの規格値。
      1本目、Gm測定=2400μmho、IP=3.20mA。
      2本目、Gm測定=2340μmho、IP=2.16mA。。

    KT66 Gm、IP測定。
    • KT66相互コンダクタンス=6300μmho、Ip=85mAがRCAの規格値。
      1本目、Gm測定=3500μmho、IP=67.5mA。
      2本目、Gm測定=3600μmho、IP=66.5mA。

    GZ34 エミッション測定。


V. TubeTester HickokTV−2B/Uによる予備(購入)真空管測定、別ファイルが開きます。
  • EF86(6267) Gm、IP測定。
    • 6267(EF86)相互コンダクタンス=2000μmho、Ip=3mAがRCAの規格値。
      1本目、Gm測定=2400μmho、IP=2.08mA。
      2本目、Gm測定=2400μmho、IP=1.96mA。

    KT66 Gm、IP測定。
    • KT66相互コンダクタンス=6300μmho、Ip=85mAがRCAの規格値。
      1本目、Gm測定=4000μmho、IP=92.0mA。
      2本目、Gm測定=4000μmho、IP=92.4mA。
      3本目、Gm測定=4000μmho、IP=93.3mA。
      4本目、Gm測定=4000μmho、IP=94.4mA。


D. 使用部品
  • 電解コンデンサー                      2個追加。
    電解コンデンサー                      1個交換。
    フイルムコンデンサ−                   3個交換。
    フイルムコンデンサ−                   2個追加。
    ヒューズ(200mA)                     2個追加。
    整流管をダイオード                    4本追加。
    ヒューズ(2A)                        1本交換。


E. 調整・測定

G. 修理費          60,000円  オーバホール修理。
                           但し、真空管は別途です。

Y. ユーザー宅の設置状況

S. QUADU の仕様(マニアル・カタログより)

M. 到着時の梱包状態。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
M1. 元箱があるので安心。 下は QUADU. 7台目
M2. 元箱があるので安心。真空管もしっかり保護。 下は QUADU. 7台目
A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 前から見る。
A12. 点検 前右から見る
A13. 点検 後から見る
A14. 点検 後左から見る
A15. 点検 上から見る
A16. 点検 真空管を抜き、上から見る
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検 下から見る
A3. 点検 下蓋裏の錆。 下は QUADU. 7台目
A4. 点検 下蓋を取り、下から見る
A5. 付属真空管。 左から、6267、2本目6267、KT66、2本目KT66、GZ32。
A6. 点検中 電源ブロック電解コンデンサー比較。
左=Unicon100μF×2/500WV、中=TMC100μF×2/500WV、右=付いている16μF×2/450V。
但し、整流管使用の場合は47μF×2/500WV。
A61. 点検中 電源ブロック電解コンデンサー「16μF×2/450V」。 16.059μF、ESR=5.4Ω。
                           ESRに付いてはmuRataNichiconルビコンPanasonic参照
                           この測定でNGな物はダメですが、負荷試験方が正確です。
A62. 点検中 電源ブロック電解コンデンサー「16μF×2/450V」。 16.420μF、ESR=4.2Ω。
                           ESRに付いてはmuRataNichiconルビコンPanasonic参照
                           この測定でNGな物はダメですが、負荷試験方が正確です。
A63. 点検中 交換する電源ブロック電解コンデンサー「100μF×2/500V」。 106.92μF、ESR=1.0Ω。
                           ESRに付いてはmuRataNichiconルビコンPanasonic参照
                           この測定でNGな物はダメですが、負荷試験方が正確です。
A64. 点検中 交換する電源ブロック電解コンデンサー「100μF×2/500V」。 107.78μF、ESR=0.8Ω。
                           ESRに付いてはmuRataNichiconルビコンPanasonic参照
                           この測定でNGな物はダメですが、負荷試験方が正確です。
A7. 点検中 電源コード、入力ケーブル。無線用の同軸ケーブル。
T. 電源トランス点検。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
T1. 電源トランス点検。 下の電圧、電力計で測定する。 入力AC240V/50Hz、80W。
TO1. 出力トランス点検。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
                   8ΩSP出力端子へ1kHz5.0Vを入力し、各巻線電圧を測る。
  • 測定値は左から、周波数計=1.0507kHz、8ΩSP出力端子への入力電圧=5.020V
        KT66プレート巻線電圧=35.07V、KT66プレート巻線電圧=34.91V、
        KT66カソードNFB巻線電圧=7.839V、NFB巻線電圧=2.5161V。    
TO2. 出力トランス点検。8ΩSP出力端子へ5kHz5.0Vを入力し、各巻線電圧を測る。
  • 測定値は左から、周波数計=5.0850kHz、8ΩSP出力端子への入力電圧=5.032V
        KT66プレート巻線電圧=35.78V、KT66プレート巻線電圧=34.74V、
        KT66カソードNFB巻線電圧=7.943V、NFB巻線電圧=2.5916V。    
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C1. 修理前 下から見る。
C2. 修理中 下から見る。 終段出力真空管KT−66へヒューズを増設、これで出力トランスは安泰。
                コンデンサー等の端子への接続は絡げる+半田付けがプロ(金を貰う)の仕事。
C3. 修理後 下から見る。
C4. 交換部品。 QUADU. 7台目共。
C5. 修理中 電源コード本体側プラグ点検・増締。
C61. 修理中 入力ケーブル点検。無線用の同軸ケーブルRG59/U使用。下は当方が使用する3D−XVSで芯線は撚り線。
C62. 修理中 本体側入力ケーブル点検。
C63. 修理中 RCA側入力ケーブル点検。
U. TubeTester HickokTV−2B/Uによる付属真空管測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
    真空管ハンドブック(規格表)の、
    6267(EF86)相互コンダクタンス=2000μmho「Ep=250V、Ip=3mA、Esg=140V、Eg1=−2V」。
    KT66相互コンダクタンス=6300μmho「Ep=250V、Esg=250V、Ip=85mA、Eg1=−15V」。
1960/1962/1964/1966ナショナル真空管ハンドブック、1995オーディオ用真空管マニアル、60/62/69東芝電子管ハンドブック、1962日立電子管ハンドブック、1965/1971全日本真空管マニュアル、RC15/19/26/27/28/29/30 Receiving Tube Manual、1966/実用真空管ハンドブック、1995世界の真空管カタログより。

GZ32(5AQ4)エミション測定=VacuumTubeTester Hickok TV-2B/U の「5U4」検査方法による、破棄値=75。
U0. 付属真空管。 左から、6267、2本目6267、KT66、2本目KT66、GZ32。
U1. 付属1本目「6267」。 Gm測定=2400μmho、IP=3.20mA。
        Cレンジ=3000μmhoレンジでの測定、「Ep=250V、Esg=150V、Eg1=−2V」
U2. 付属2本目「6267」。 Gm測定=2340μmho、IP=2.16mA。
U3. 付属1本目「KT66」。 Gm測定=3500μmho、IP=67.5mA。
        Cレンジ=15000μmhoレンジでの測定、「Ep=250V、Esg=250V、Eg1=−15V」
U4. 付属2本目「KT66」。 Gm測定=3600μmho、IP=66.5mA。
U5. 付属「GZ32(5AQ4)」ユニット1 エミション測定=90。
      Vacuum Tube Tester Hickok TV-2B/U の「5U4」検査方法による、破棄値=75。
U6. 付属「GZ32(5AQ4)」ユニット2 エミション測定=90。
測定電源は安定化電源を使用し、AC115V 60Hzで行う。
プレート波形を観測しながら測定する。
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整。AC240V 60Hzで行う。右側=8台目、左側=7台目。
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
        表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
        表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E1. 50Hz入力、右側(8台目)SP出力電圧11V=15W、 0.482%歪み。
            左側(7台目)SP出力電圧11V=15W、 0.558%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E2. 100Hz入力、右側(8台目)SP出力電圧11V=15W、 0.541%歪み。
             左側(7台目)SP出力電圧11V=15W、 0.733%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E3. 500Hz入力、右側(8台目)SP出力電圧11V=15W、 0.486%歪み。
             左側(7台目)SP出力電圧11V=15W、 0.589%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E4. 1kHz入力、右側(8台目)SP出力電圧11V=15W、 0.401%歪み。
            左側(7台目)SP出力電圧11V=15W、 0.596%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E5. 5kHz入力、右側(8台目)SP出力電圧11V=15W、 0.353%歪み。
            左側(7台目)SP出力電圧11V=15W、 0.338%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E6. 10kHz入力、右側(8台目)SP出力電圧11V=15W、 0.291%歪み。
             左側(7台目)SP出力電圧11V=15W、 0.459%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E7. 20kHz入力、右側(8台目)SP出力電圧11V=15W、 0.638%歪み。
             左側(7台目)SP出力電圧11V=15W、 0.768%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E8. 完成  24時間エージング。 左は Sansui B−2302V. 3台目
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況、 正面から見る。
S. QUADU の仕様(マニアル・カタログより) 
型式 管球式アンプ QUADU
出力 15W時20Hz〜20kHz
全高調波歪率 0.1%(70Hz 出力12W時)0.25% (50Hz 出力12W時)
周波数特性 20Hz〜20kHz /-0.2dB。10Hz〜50kHz /-0.5dB。
入力感度 1.4V(出力15W時)
SN比 80dB以上
ダンピングファクター
電源 AC200-250V/40-80Hz(100-130V)
使用真空管 KT66×2、 EF86×2、 GZ32
外形寸法 幅313×高165×奥行106mm
重量 約9kg
                  quad2_817
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