Mcintosh C22. 8台目修理記録
平成26年11月18日到着  平成26年1月24日完成
A. 修理前の状況
  • マッキントッシュC22オリジナルの修理をお願いしたくご連絡を差し上げております。
    60年代のオリジナルになります。
    亡き父の形見になります。
    当方も音楽関係の仕事をしていまして、ようやく死後1年たち 遺留品の整理を始めている中で、生前に大切にしていたオーディオ類の整理をしていたのですが、このC22は特に大切にしており、 1年程、段ボールに入れたままになっておりました。
    昨日、私のオーディオに組み込もうと電源を入れてみたところ、 電源が入らず、素人ながら触ってみようかとも思いましたが余計に壊してしまうのも怖くなり 信頼できる修理をしてくださる方を探しておりましてこちらのHPに辿り着きました。

T. 修理前点検測定

B. 原因
  • 経年変化による劣化。

C. 修理状況

U. TubeTester HickokTV−2B/Uによる付属真空管測定

D. 使用部品
  • フィルム・コンデンサー    16個。
    電解コンデンサー         12個。
    テフロン絶縁製MT9ピンソケット  6個。
    リレー               1個。
    整流ダイオード           2個。
    整流ブリッジ           1個。
    抵抗               4個。
    RCA端子      9組18個+1個。


E. 調整・測定

F. 上位測定器による 調整・測定


G. 修理費  138,000円   オーバーホール修理。
                      真空管別途です。

S. Mcintosh C22 の仕様(カタログ・マニアルより)

A. 修理前の状況
A01. 点検中 木箱入、前から見る。
A02. 点検中 木箱入、前右から見る。
A03. 点検中 木箱入、後から見る。
A04. 点検中 木箱入、後左から見る
A05. 点検中 木箱入、上から見る。
A07. 点検中 木箱入、下から見る。
A08. 点検中 木箱入、下前から見る。
A09. 点検中 木箱入、下前左から見る。
A0A. 点検中 木箱入、下後から見る。
A0B. 点検中 木箱入、下後右から見る
A11. 点検中 前から見る。
A12. 点検中 前右から見る。
A13. 点検中 後から見る。
A14. 点検中 後左から見る
A15. 点検中 上から見る。
A16. 点検中 上蓋を取り、上から見る
A21. 点検中 下から見る。
A22. 点検中 下前から見る。
A23. 点検中 下前左から見る。
A24. 点検中 下後から見る。
A25. 点検中 下後右から見る
A26. 点検中 下蓋を取り、下から見る
A31. 点検中 メイン基板
A32. 点検中 メイン基板裏
A33. 点検中 電源部
A34. 点検中 電源部裏
A41. 点検中 真空管ソケット
A42. 点検中 真空管ソケット比較、 左=テフロン絶縁製、右=タイト絶縁製、が選択出来る。テフロン絶縁製選択
A51. 点検中 入出力RCA端子郡
A52. 点検中 入出力RCA端子郡、 テフロン絶縁金メッキに交換可能。
           隣との距離があるMAIN等は WBT−0201 に交換可能。
A53. 点検中 入力RCA端子郡
A54. 点検中 入力RCA端子郡、 テフロン絶縁金メッキに交換可能。
A55. 点検中 交換するテフロン絶縁製RCA端子。 中心電極は円筒状で4つ割方式。
A56. 点検中 WBT製RCA端子WBT−0201。 さらに複雑な構造で「カチ」と差し込み感を与える。
A57. 点検中 最近の「RCAプラグ」の中心電極は2割になっているので接触不良が起きにくい。
A61. 点検中 付属真空管「ECC83」。 右から1番目、2番目、、、、6番目。
A62. 点検中 付属真空管、足から見る
A71. 点検中 下蓋裏。
A72. 点検中 下蓋裏、接点復活材の跡。
T. 修理前点検測定
T1. 出力・歪み率測定・調整。
    「見方」。
   上段中 右側出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
        表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
        表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
T2. AUX 1kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.220%歪み。
                L側出力電圧=3.2V、 0.208%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
T3. AUX 10kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.421%歪み。
                 L側出力電圧=3.59V、 0.42%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
T4. MM 1kHz入力、R側出力電圧=2V、 3.22%歪み。
               L側出力電圧=3.48V、 14.8%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
T5. MM 10kHz入力、R側出力電圧=2V、 3.42%歪み。
                L側出力電圧=3.69V、 14%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
C. 修理状況
C11. 修理中 真空管基板、電源シャシ、前パネルを外して修理する。 上から見る。
C12. 修理中 真空管基板、電源シャシ、前パネルを外して修理する。 下から見る。
C21. 修理前 真空管ソケット
C22. 修理後 真空管ソケット
C23  真空管ソケットの配線中、ジャンク真空管をソケットにしっかり挿入して行う
C24. 修理前 真空管ソケット、裏から見る
C25. 修理後 真空管ソケット交換後、裏から見る
C31. 修理前 メイン基板
C32. 修理後 メイン基板  電解コンデンサ−2個、フイルム・コンデンサー10個交換 
C33. 修理前 メイン基板裏
C34. 修理(半田補正)後  メイン基板裏 フイルム・コンデンサー6個、抵抗18個交換
C41. 修理前 基板2
C42. 修理後 基板2 フイルム・コンデンサー2個交換
C51. 修理前 電源部シャーシ
C52. 修理後 電源部シャーシ
C522. 修理後 電源部シャーシ。ラグ端子への配線は絡げて固定し、更に半田付けする=これがお金を貰う仕事。
C53. 修理前 電源部シャーシ裏
C54. 修理後  電源部シャーシ裏。 整流器、電解コンデンサー全部交換する。出力遅延回路組み込み。
C542. 修理後 電源部シャーシ。ラグ端子への配線は絡げて固定し、更に半田付けする=これがお金を貰う仕事。
C71. 修理前 入出力RCA端子郡。 アース端子が無。
C72. 修理後 入出力RCA端子郡
C73. 修理前 入出力RCA端子郡裏
C732. 修理中 入出力RCA端子郡裏。 シールド線に熱收縮チューブを被せる。
C74. 修理後 入出力RCA端子郡裏。 抵抗14個交換。
C75. 修理前 パネルランプ照度切換SWのシールド板。 湿度の多い所に保管か?
C76. 修理後 パネルランプ照度切換SWのシールド板。 CRCで錆を落とす。
C77. 修理前 入力切換SWの固定。
C78. 修理後 入力切換SWの固定。 CRCで錆を落とす。
C79. 修理中 入出力シールド線に熱收縮チューブを被せる。
C81. 修理(交換)前 電源コード取付。
C82. 修理(交換)後 電源コード取付。 中古の1.25スケアに交換する。
C91. 修理中 前面パネルを外し、ランプ等の点検・清掃。
C92. 修理中 前面パネルを外し、ランプ等の点検・清掃。 ランプのタングス線は綺麗なので、電極を固定する。
C93. 修理中 前面パネル清掃中
C94. 修理(清掃)中 ツマミ
CA. 交換部品
CB1. 修理前 上から見る
CB2. 修理後 上から見る、上の出力RCA端子横に「交換電源投入時、プリ出力遅延回路組込
CB3. 修理前 下から見る
CB4. 修理後 下から見る
U. TubeTester HickokTV−2B/Uによる付属真空管測定
U1. 付属真空管「ECC83」。 右から1番目、2番目、、、、6番目。
      真空管ハンドブック(規格表)の、
      相互コンダクタンス=1600μmho「Ep=250V、Ip=1.2mA、Eg1=−2V」
1960/1962/1964/1966ナショナル真空管ハンドブック、1995オーディオ用真空管マニアル、60/62/69東芝電子管ハンドブック、1962日立電子管ハンドブック、1965/1971全日本真空管マニュアル、RC15/19/26/27/28/29/30 Receiving Tube Manual、1966実用真空管ハンドブック、1995世界の真空管カタログより。
付属真空管「ECC83」。 右から1番目、2番目、、、、6番目。
U11. 付属1本目「ECC83」ユニット1。 Gm測定=2010μmho、IP=1.60mA。
                           Cレンジ=3000μmhoレンジでの測定、「Ep=250V、Eg1=−2V」
U12. 付属1本目「ECC83」ユニット2。 Gm測定=2300μmho、IP=1.84mA。
U21. 付属2本目「ECC83」ユニット1。 Gm測定=2400μmho、IP=1.85mA。
                           Cレンジ=3000μmhoレンジでの測定、「Ep=250V、Eg1=−2V」
U22. 付属2本目「ECC83」ユニット2。 Gm測定=2200μmho、IP=1.64mA。
U31. 付属3本目「ECC83」ユニット1。 Gm測定=2400μmho、IP=1.71mA。
                           Cレンジ=3000μmhoレンジでの測定、「Ep=250V、Eg1=−2V」
U32. 付属3本目「ECC83」ユニット2。 Gm測定=2600μmho、IP=1.91mA。
U41. 付属4本目「ECC83」ユニット1。 Gm測定=2010μmho、IP=1.65mA。
                           Cレンジ=3000μmhoレンジでの測定、「Ep=250V、Eg1=−2V」
U42. 付属4本目「ECC83」ユニット2。 Gm測定=2300μmho、IP=1.72mA。
U51. 付属5本目「ECC83」ユニット1。 Gm測定=2000μmho、IP=1.32mA。
                           Cレンジ=3000μmhoレンジでの測定、「Ep=250V、Eg1=−2V」
U52. 付属5本目「ECC83」ユニット2。 Gm測定=2600μmho、IP=1.94mA。
U61. 付属6本目「ECC83」ユニット1。 Gm測定=2500μmho、IP=1.85mA。
                           Cレンジ=3000μmhoレンジでの測定、「Ep=250V、Eg1=−2V」
U62. 付属6本目「ECC83」ユニット2。 Gm測定=2300μmho、IP=1.65mA。
測定電源は安定化(電圧・周波数)電源を使用し、AC115V 60Hzで行う。
プレート波形を観測しながら測定する。
E. 調整・測定
E1. 出力・歪み率測定・調整。
    「見方」。
   上段中 右側出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
        表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
        表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E21. AUX 50Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.0591%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.0708%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. AUX 100Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.0539%歪み。
                   L側出力電圧=2V、 0.0638%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. AUX 500Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.0458%歪み。
                   L側出力電圧=2V、 0.0600%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. AUX 1kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.0391%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.0523%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. AUX 5kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.0435%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.0529%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E26. AUX 10kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.0348%歪み。
                   L側出力電圧=2V、 0.0474%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. AUX 50kHz入力、R側出力電圧=1V、 0.080%歪み。
                   L側出力電圧=1V、 0.077%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E31. MM 50Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.0644%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.0760%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E32. MM 100Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.1411%歪み。
                   L側出力電圧=2V、 0.0723%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E33. MM 500Hz入力、R側出力電圧=2V、 0.0689%歪み。
                   L側出力電圧=2V、 0.0752%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E34. MM 1kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.0656%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.0728%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E35. MM 5kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.0645%歪み。
                 L側出力電圧=2V、 0.0713%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E36. MM 10kHz入力、R側出力電圧=2V、 0.0616%歪み。
                  L側出力電圧=2V、 0.0662%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E37. MM 50kHz入力、R側出力電圧=1V、 0.132%歪み。
                  L側出力電圧=1V、 0.134%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
F. 上位測定器による 調整・測定
F0. 下のオーディオアナライザーVP−7732Aで自動測定。
F21. 入出力特性測定(AUX入力)、AUX入力端子へ150mV一定入力 VRはmax 平均で1V出力。
                                     左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色。
22. 歪み率測定 AUX入力端子へ150mV一定入力、メインVRはmax。
                   左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色。 レベルは測定器任せの全自動。  
F23. 入出力特性測定(AUX150mV入力)、BASS & TREBLE VRはmax(最大位置)。
                                   左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色。
F24. 入出力特性測定(AUX150mV入力)、BASS & TREBLE VRはmin(最小位置)。
                                 左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色。
F25. 入出力特性測定(AUX150mV入力)、RUMBLO & HF FILTER ON。
                               左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色。
31. 入出力特性測定(MM入力)。
      MM入力 入力電圧=2mV一定入力 VRはmax  左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色。
E5. 完成 24時間エージング。左は「HMA−9500mkU. 53台目
S. Mcintosh C22 の仕様(マニアル・カタログより)
型式 管球式コントロールアンプ C22
周波数特性 20Hz〜20kHz、 +-0.5dB
全高調波歪率 0.2%以下(出力10V)、0.02%以下(出力3V)
入力感度/インピーダンス
2.5V OutPut
Phono1、2 = 2mV/47kΩ(1kHz)。
Microphone = 2.5mV/47kΩ(1kHz)。
Aux1、2 = 250mV/250kΩ。
TAPE1.2 = 250mV/250kΩ。 Tuner/CD = 250mV/250kΩ。
SN比 SN比=85dB(ハイレベル)、SN比=62.5dB(ローレベル)
Bass Control +-20dB at 20Hz
Treble Control +-20dB at 20kHz
LF Filter CutOff Below 50Hz (Down 30dB @20Hz)
HF Filter CutOff Above 5kHz (Down 30dB @20kHz)
使用真空管 12AX7(ECC83)×6本
定格消費電力 最大34W
ACアウトレット スイッチド(4)、アンスイッチド(1)
外形寸法 幅406.4mm×高さ138mm×奥行330.2mm
重量 約7.3kg
定価 1962〜1972年発売。
(2009年復刻版)¥693,000
                     c22-8-36
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