Aurex SY−Λ88U. 6台目修理記録
平成18年8月1日持込    8月17日完成
注意 このAMPには、出力回路にプロテクトが有りません。 よって、出力にはDC漏れの危険が有ります。
    メインAMPと「DC入力接続」するときは、十分に注意すること。「出来れば避けた方が良い」 
詳しくはこちら参照 詳しくはこちら参照2
A. 修理前の状況
  •  YAHOOオークションで購入、現在40代後半ですが、当時は購入できなかったものです。
    20年以上ケミコンを替えないのはやはり怖いので、ボーナスが出るのを機会にオーバーホールをしておきたいと思いました
    このアンプのイコライザーと蛇口全開(になるはず)の音は、今の新品の同価格のモノでは出ないと感じています。

T. 修理前点検測定
  • 歪みが多い
B. 原因
  • 経年変化による劣化で歪み多し。

C. 修理状況
  • 出力接続リレ−修理。
    初段FET交換。
    RLバイアス・バランスVR交換。
    電解コンデンサー交換(オーディオコンデンサー使用)。
    メインVR・バランスVR解体清掃。
    RCA端子交換(内WBT RCA端子 WBT−0201を3組使用)。
    整流ダイオード交換(支給品)。

D. 使用部品
  • 初段FET                             2個。
    バイアス・バランス半固定VR                8個。
    メタライズド・ポリエステル・フィルムコンデンサー    18個。
    電源電解コンデンサー                    16個。
    電解コンデンサー                       26個。
    RCA端子                           20個。
    整流ダイオード                         3個(支給品)
    WBT RCA端子 WBT−0201             3組(定価で工賃込み)

E. 調整・測定

F. 上位測定器による調整・測定

G. 修理費   140,000円    オーバーホール修理。

S. TOSHIBA  Aurex SY−Λ88U の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況
A1. 点検中 上から見る。
A2. 点検中 下から見る、電解コンデンサーの接着剤が綺麗に除去されている
A3. 点検中 後パネルの止めネジが無い! 錆びているのでかなり前からと推測される
A4. 点検中 基盤の銅箔(板)の厚さに圧倒 しかし半田付けは大変
A5. 電解コンデンサー 左上=交換する1500μ     右上=交換する1000μ/100V
                 左下=付いていた470μ    右下=付いていた820μ/63V Aurexの名前が!!
A6. 取り外したλコンデンサーの容量測定結果。 但し安い測定器なので絶対値は不信用
      年月は確実にコンデンサーを変化させます。 これでも、λコン神話は健在?
T. 修理前点検測定
T1. 修理前出力・歪み率測定
    <見方>
   下左オーディオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出し(歪み率=約0.003%)これをAMPに入力し、SPからの出力を測定
   下中オシロ=入力波形(オーディオ発振器のTTLレベル)   下右上=周波数計
   上左端電圧計=L側SP出力電圧測定、黒針のみ使用
   上中左歪み率計=SP出力の歪み率測定 左メータ=L出力、右メータ=R出力
   上中右=R側SP出力電圧測定、赤針のみ使用
   上右端オシロ=SP出力波形 上=R出力、下=L出力
   下中右上デジタル電圧計=SP出力電圧測定RLは切り替えて測定
T2. 修理前測定出力=1V(VRは最大)  0.08%歪み  AUX入力  400HZ
T3. 修理前測定出力=1V(VRは最大)  0.2%歪み  MM入力  400HZ
T4. 修理前測定出力=1V(VRは最大)  0.3%歪み  MC入力  400HZ
C. 修理状況
C11. 修理前 AMP部
C12. 修理後 AMP部 電解コンデンサー14個、λコンデンサー14個、FET(電界トランジスタ−)2個交換
C121. 修理後 AMP部出力リレー 洗浄して使用
             このAMPは設計が良く、出力をアース(短絡)する方法なので、性能に影響しない
C13. 修理前 AMP部裏
C14. 修理(ハンダ補正)後 AMP部裏 電解コンデンサー8個交換
C15. 完成AMP部裏 洗浄後
C21. 修理前 SW部
C22. 修理後 SW部 十分な空きがあるのでRCA端子の交換が出来た
C221. 修理中 メインVR分解中、回転子のリード線が切断しいる
C222. 修理後 メインVR
C23. 修理前 SW部裏
C24. 修理(ハンダ補正)後 SW部裏
C25. 完成SW部裏 洗浄後
C31. 修理前 RCA端子       RCA端子の説明は此方
           止めネジがセンターに1個しか無い構造、これで太い4本のケーブルは支えられない!
C32. 修理後 新しいテフロン絶縁RCA端子に14個、WBT6個交換        RCA端子の説明は此方
C41. 修理前 電源整流部
C42. 修理後  電源整流部 電解コンデンサー4個、λコンデンサー4個交換、整流ダイオード3組交換(支給品)
C421. 修理前 電源整流部ラッピング1
C422. 修理後 電源整流部ラッピング1、 ハンダを流し込む
C423. 修理前 電源整流部ラッピング2
C424. 修理後 電源整流部ラッピング2、 ハンダを流し込む
C425. 修理前 電源整流部ラッピング3
C426. 修理後 電源整流部ラッピング3、 ハンダを流し込む
C43. 修理前  電源部整流裏
C44. 修理(ハンダ補正)後  電源部整流裏
C45. 完成電源部整流裏 洗浄後
C51. 修理前 定電圧部
C52. 修理後 定電圧部 大型電解コンデンサー16個、電解コンデンサー8個、半固定VR4個交換
C53. 修理前 定電圧部裏
C54. 修理(ハンダ補正)後 定電圧部裏
C55. 定電圧部裏完成 洗浄後
C61. パネル洗浄
C62. パネル裏 接着材を流しておく
C63. パネル裏スポンジの交換中 ご覧の様に水分を吸い、ぼろぼろ、鉄板まで腐食
C64. パネル裏スポンジの交換後
C7. 交換した部品
C91. 修理前 下から見る
C92. 修理後 下から見る
C93. 修理前 上から見る
C94. 修理後 上から見る
E. 測定・調整
E1. 出力・歪み率測定・調整
    <見方>
   下左オーディオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出し(歪み率=約0.003%)これをAMPに入力し、SPからの出力を測定
   下中オシロ=入力波形(オーディオ発振器のTTLレベル)   下右上=周波数計
   上左端電圧計=L側SP出力電圧測定、黒針のみ使用
   上中左歪み率計=SP出力の歪み率測定 左メータ=L出力、右メータ=R出力
   上中右=R側SP出力電圧測定、赤針のみ使用
   上右端オシロ=SP出力波形 上=R出力、下=L出力
   下中右上デジタル電圧計=SP出力電圧測定RLは切り替えて測定
E11. 出力=1V(VRは最大)  0.00?%歪み  AUX入力  1000HZ
E12. 出力=1V(VRは最大)  0.00?%歪み  AUX入力  400HZ
E21. 出力=1V(VRは最大)  0.00?%歪み  MM入力  1000HZ
E22. 出力=1V(VRは最大)  0.00?%歪み  MM入力  400HZ
E31. 出力=1V(VRは80%)  0.0?%歪み  MC入力  1000HZ
E32. 出力=1V(VRは80%)  0.0?%歪み  MC入力  400HZ
E41. 出力=15Vの出力でも飽和しない! 歪み率=0.0?% MC入力 1000HZ
      このAMPは入力ジャックの抜き差し等は、十分注意する事。ミスをするとメインAMPやSPを壊します。
E42. 出力=15Vの出力でも飽和しない! 歪み率=0.0?% MC入力 400HZ
      このAMPは入力ジャックの抜き差し等は、十分注意する事。ミスをするとメインAMPやSPを壊します。
F. 上位測定器による 調整・測定
F0. 下のオーディオアナライザーVP−7732Aで自動測定。
F1. 入出力特性測定(AUX入力)
    AUX入力端子へ100mV一定入力。VRはmax、平均で0.7V出力。左出力=薄(細い)色、右出力=濃い(太い)色
F2. 歪み率特性測定(AUX入力)
     AUX入力端子へ100mV一定入力 VRはmax  左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F3. 入出力特性測定(MM入力)
      MM入力 入力電圧=2mV一定入力 VRはmax   左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F4. 入出力特性測定(MC入力)
     MM入力 入力電圧=0.11mV一定入力 VRは100%。左出力=薄(細い)色、右出力=濃い(太い)色
E6. 完成  お兄さんのΛ88と仲良く、24時間エージング
E7. 完成  綺麗なお尻で帰ります。 下は SY−Λ88
S. TOSHIBA  Aurex SY−Λ88U の仕様(マニアル・カタログより)
型式 コントロールアンプ SY−λ88U
入力感度/インピーダンス Phono MM=2.0mV/100Ω、47kΩ
Phono MC=0.1mV/10Ω、100Ω
Tuner、Aux、Tape=150mV/47kΩ
全高調波歪率(1kHz) Phono MM=0.002%(7.5V出力時、Rec out)
Phono MC=0.002%(7.5V出力時、Rec out)
Aux=0.002%(3V出力時、Pre out)
混変調歪率 Aux=0.002%(1kHz、3V出力時、Pre out)
SN比(IHF-A、ショートサーキット) Phono MM=88dB
Phono MC=70dB
Aux=110dB
周波数特性 Phono=RIAA偏差 ±0.2dB(20Hz〜20kHz、Rec out)
Aux=10Hz〜100kHz +0 -1dB
最大許容入力(1kHz、THD 0.002%) Phono MM=450mV
Phono MC=23mV
定格出力/インピーダンス Rec out=150mV/180Ω(1kHz)
Pre out=1V/100Ω
最大出力 Pre out=30V
サブソニックフィルター MM、MC=16Hz、6dB/oct
使用半導体 トランジスタ=60個
ダイオード=15個
FET=11個
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 30W
外形寸法 幅450×高さ93×奥行386mm
重量 9kg
価格 \265,000(1981年頃)
                sy88-26-1q
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