Mcintosh MC275. 6台目修理記録
平成24年3月25日持込   11月7日完成
A. 修理前の状況
  • オーバーホール修理依頼。


B. 原因
  • 経年劣化

C. 修理状況
  • 終段(KT−88)ソケット交換。
  • 前段MT管ソケット交換。
  • ブロック電解コンデンサー交換。
  • フイルムコンデンサー交換。
  • 配線手直し、補強。
  • SP接続端子交換。
  • ブロック電解コンデンサー交換。
  • 電源コード交換。

U. TubeTester HickokTV−2C/Uによる付属真空管測定
D. 使用部品
  • テフロン製USソケット                4個。
  • タイト製MTソケット                  7個。
  • 電解コンデンサー                  11個。
  • フイルムコンデンサー                18個。
  • SP接続端子                      2個。
  • ブロック電解コンデンサー「TMC」          2本。
  • ブロック電解コンデンサー「ユニコン」        2本。
  • 電源コード                        1本。
  • 抵抗                           8個

E. 調整・測定

F. 修理費   110,000円    オーバーホール修理
                         但し、真空管は別途

S. Mcintosh MC275 の仕様(マニアル・カタログより)

このクラスのKT−88は良質な物を選択すること。
又、前段12AZ7/12AT7と直結なので、こちらも同様の配慮が必要。


A. 修理前の状況
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前左から見る
A13. 点検中 左から見る
A14. 点検中 後から見る
A15. 点検中 後右上から見る
A16. 点検中 右から見る
A21. 点検中 上から見る
A22. 点検中 真空管を抜き、上から見る
A23. 点検中 SP接続端子
A24. 点検中 ACコンセント、割れて危険!
A31. 点検中 下から見る
A32. 点検中 下ケースを取り下から見る
A33. 点検中 下前から見る
A34. 点検中 下前右から見る
A35. 点検中 下後から見る
A36. 点検中 下後左から見る
C.修理状況
C11. 修理前 基板
C12. 修理中 基板、 配線をしっかりと巻き付ける、半田が無くても固定され、しっかり導通がある。
                抵抗4個交換。
C13. 修理(ハンダ補正)後  基板、 さらに、半田を流し込み、固定する。
C14. 完成基板、 さらに、抵抗4本交換。
C15. 修理前  基板裏
C16. 修理(交換)後  基板裏、 コンデンサー16個交換
C21. 修理前 KT−88ソケット
C22. 修理中 KT−88ソケットを取り外す
C23. 修理後 KT−88ソケットを取り外し、穴径を大きくし、テフロン製USソケットを取り付ける
C24. 修理後 MT−9品ソケットも交換する
C25. 修理前 R側KT−88ソケット裏配線、 スクリーン抵抗(220Ω/5W)が焼損したので(220Ω/10W)交換されている!
                              多きことは良いことでは無い!!
C26. 修理後 R側KT−88ソケット裏配線、ソケットを交換し、配線完了。 抵抗2個交換。
C27. 修理前 L側KT−88ソケット裏配線、 スクリーン抵抗(220Ω/5W)が焼損したので(220Ω/10W)交換されている!
                              多きことは良いことでは無い!!
C28. 修理後 L側KT−88ソケット裏配線、ソケットを交換し、配線完了。 抵抗2個交換。
C31. 修理前 V1〜V4ソケット
C32. 修理後 V1〜V4ソケット
C33. 修理前 V3〜V6ソケット
C34. 修理後 V3〜V6ソケット
C37. 修理中 配線中はジャンク真空管を挿入し、電極を固定して行う。
C41. 修理前 入力SW&VR周り配線
C42. 修理後 入力SW&VR周り配線
C51. 修理前 電解コンデンサー周り配線
C52. 修理後 電解コンデンサー周り配線、 フイルムコンデンサー1個追加。
C53. 修理前 電解コンデンサー2周り配線
C54. 修理後 電解コンデンサー2周り配線、 フイルムコンデンサー1個、抵抗1個追加。
C542. 完成電解コンデンサー2周り配線。
C61. 修理前 ブロック電解コンデンサー
C62. 修理(交換)後 ブロック電解コンデンサー。
C71. 修理前 整流基板。
C72. 修理後 整流基板、ダイオード5本交換
C73. 修理前 整流基板裏
C74. 修理後 整流基板裏、コンデンサー3個交換
C81. 修理前 突入電流抑制素周り
C82. 修理(交換)後 突入電流抑制素子交換
C91. 修理前 SP接続端子
C92. 修理(交換)後 SP接続端子交換、止めビスも交換する。
CA1. 修理前 ACコンセント、割れて危険!
CA2. 修理(交換)後 ACコンセント。
CA3. 修理前 ACコード。
CA4. 修理(交換)後 ACコード。
CB1. 修理前 電解コンデンサー取り付けバンド。
CB2. 修理後 電解コンデンサー取り付けバンド、 軽く塗装する。
CC1. 交換部品1
CC1. 交換部品2
CC3. 交換部品、 交換したブロック電解コンデンサー。
CD1. 修理前 真空管を取り、上から見る
CD2. 修理前 真空管無、上から見る
CD3. 修理前 下から
CD4. 修理後 下からみる。
U. TubeTester HickokTV−2B/Uによる付属真空管測定
U1.  付属真空管、左から「12BH7」1本目、2本目。 「12AZ7」1本目、2本目。
       12BH7 相互コンダクタンス=3100μmho「Ep=250V、Eg1=−10.5V、IP=11.5mA」
       12AZ7 相互コンダクタンス=6000μmho「Ep=250V、Eg1=−12V、Ip=10mA」
1960/1962/1964/1966ナショナル真空管ハンドブック、1995オーディオ用真空管マニアル、60/62/69東芝電子管ハンドブック、1962日立電子管ハンドブック、1965/1971全日本真空管マニュアル、RC15/19/26/27/28/29/30 Receiving Tube Manual、1966/実用真空管ハンドブック、1995世界の真空管カタログより。
U10.  付属真空管、左から「12BH7」1本目、2本目。 「12AZ7」1本目、2本目。
U11. 付属真空管「12BH7」1本目ユニット1。 Gm測定=3400μmho、Ip=17.7mA。
      測定条件、「Ep=250V、Eg1=−10.5V」、Cレンジ=6000μmhoレンジでの測定。
U12. 付属真空管「12BH7」1本目ユニット2。 Gm測定=3600μmho、Ip=18.7mA。
U21. 付属真空管「12BH7」2本目ユニット1。 Gm測定=3400μmho、Ip=19.3mA。
U22. 付属真空管「12BH7」2本目ユニット2。 Gm測定=3500μmho、Ip=17.8mA。
U31. 付属真空管12AZ7(ECC81)1本目ユニット1。 Gm測定=5720μmho、Ip=10.1mA。
      測定条件、「Ep=250V、Eg1=−1.5V」、 Cレンジ=6000μmhoレンジでの測定。
U32. 付属真空管12AZ7(ECC81)1本目ユニット2。 Gm測定=5000μmho、Ip=8.3mA。
U41. 付属真空管12AZ7(ECC81)2本目ユニット1。 Gm測定=5400μmho、Ip=9.6mA。
U42. 付属真空管12AZ7(ECC81)2本目ユニット2。 Gm測定=4880μmho、Ip=8.2mA。
U5. 付属真空管左から「12AU7」1本目、2本目。  「ECC83」。
      12AX7 相互コンダクタンス=1600μmho「Ep=250V、Eg1=−2V、Ip=1.2mA」
      12AU7 相互コンダクタンス=2200μmho「Ep=250V、Eg1=−8.5V、IP=10.5mA」1960/1962/1964/1966ナショナル真空管ハンドブック、1995オーディオ用真空管マニアル、60/62/69東芝電子管ハンドブック、1962日立電子管ハンドブック、1965/1971全日本真空管マニュアル、RC15/19/26/27/28/29/30 Receiving Tube Manual、1966実用真空管ハンドブック、1995世界の真空管カタログより。
U50. 付属真空管左から「12AU7」1本目、2本目。  「ECC83」。
U51. 付属真空管「ECC83」ユニット1。 Gm測定=500μmho、Ip=0.15mA。
      測定条件、「Ep=250V、Eg1=−2V」、 Cレンジ=6000μmhoレンジでの測定。
U52. 付属真空管「ECC83」ユニット2。 Gm測定=500μmho、Ip=0.15mA。
U61. 付属真空管「12AU7」ユニット1。 Gm測定=2400μmho、Ip=18.8mA。
      測定条件、「Ep=250V、Eg1=−8.5V」、 Cレンジ=6000μmhoレンジでの測定。
U62. 付属真空管「12AU7」ユニット2。 Gm測定=2400μmho、Ip=159mA。
U71. 付属真空管「12AU7」2本目ユニット1。 Gm測定=2000μmho、Ip=18.8mA。
      測定条件、「Ep=250V、Eg1=−8.5V」 Cレンジ=3000μmhoレンジでの測定。
U72. 付属真空管「12AU7」2本目ユニット2。 Gm測定=2000μmho、Ip=15.8mA。
U8.  付属真空管「6550」上から 1本目、2本目。
     相互コンダクタンス=11500μmho「Ep=250V、Esg=250V、Eg1=−15V、Ip=140mA」
1960/1962/1964/1966ナショナル真空管ハンドブック、1995オーディオ用真空管マニアル、60/62/69東芝電子管ハンドブック、1962日立電子管ハンドブック、1965/1971全日本真空管マニュアル、RC15/19/26/27/28/29/30 Receiving Tube Manual、1966実用真空管ハンドブック、1995世界の真空管カタログより。
U81. 付属真空管「6550」1本目。 Gm測定=4200μmho、Ip=136.1mA。
      測定条件、「Ep=250V、Esg=250VEg1=−14V」。 Bレンジ=15000μmhoレンジでの測定。
U82. 付属真空管付属「6550」2本目。 Gm測定=3500μmho、Ip=140.2mA。
U9.  付属真空管「6550」上から 3本目、4本目。
U91. 付属真空管付属「6550」3本目。 Gm測定=3700μmho、Ip=141.5mA。
      測定条件、「Ep=250V、Esg=250VEg1=−14V」。 Bレンジ=15000μmhoレンジでの測定。
U92. 付属真空管付属「6550」4本目。 Gm測定=2500μmho、Ip=130mA。
E. 測定・調整
E0. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
        表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
        表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
この機種は「初期型?」で固定バイアスなので、出力が大きいです。 又、歪み率も少ない!
E1. 出力・歪み率測定・調整、平行輸入品なので、電源電圧=115Vで使用。 左=電源電圧、右=ヒータ電圧
E21. 50Hz入力、R側SP出力電圧25V=78W出力 0.41%%歪み。
              L側SP出力電圧26V=84.5W出力 0.61%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. 100Hz入力、R側SP出力電圧26V=84.5W出力 0.55%歪み。
               L側SP出力電圧26V=84.5W出力 0.57%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. 500Hz入力、R側SP出力電圧26V=84.5W出力 0.54%歪み。
               L側SP出力電圧26V=84.5W出力 0.54%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. 1kHz入力、R側SP出力電圧26V=84.5W出力 0.50%歪み。
              L側SP出力電圧26V=84.5W出力 0.50%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. 5kHz入力、R側SP出力電圧27V=91W出力 0.34%歪み。
              L側SP出力電圧27V=91W出力 0.34%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. 10kHz入力、R側SP出力電圧27V=91W出力 0.42%歪み。
               L側SP出力電圧27V=91W出力 0.42%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. 50kHz入力、R側SP出力電圧27V=91W出力 0.66%歪み。
               L側SP出力電圧27V=91W出力 0.67%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E28. 100kHz入力、R側SP出力電圧25V=78W出力 1.9%歪み。
                L側SP出力電圧25V=78W出力 1.9%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
              この当たりから、フイルターが効いてきます。
E4. 24時間エージング、右は 絶縁型交流電源で0〜300V/3A。 湘南高周波。
S. Mcintosh MC275 の仕様(マニアル・カタログより)
型式 管球式ステレオパワーアンプ MC275
定格出力 Stereo=75W+75W(4Ω、8Ω、16Ω)
Mono= 150W(2Ω、4Ω、8Ω)
周波数特性 16Hz〜60kHz/−0,5dB
全高調波歪率 0.5%(20〜20,000Hz 定格出力時)
SN比 90dB
入力感度/インピーダンス アンバランス= 0.5V/250KΩ
バランス= 15V/250KΩ
スピーカー出力端子 1系統×3=4Ω/8Ω/16Ω
入力端子 RCA=3系統
使用真空管 電圧増幅・ドライバー管=12AZ7、12BH7、12AU7、12AX7
出力管 =KT88×4
消費電力 240W
最大外形寸法 幅311mm×高さ203mm×奥行438mm
重量 30.5kg
                    mc275-62o
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