Mcintosh C22. 4台目修理記録
平成18年11月11日到着  平成19年1月9日完成
A. 修理前の状況
  • 数ヶ月前にヤフオクにてC22のオーナーになりました。
    札幌の方からの購入でしたが、一度オーバーホールされたとの記述が あったのですが、あまりたいしたことはやられてないようです。
    現在の状況ですが、素晴らしい音色でなっていますが、 ときどき左右別々に音が小さくなったり、もどったりの症状があります。
    トーンコントロールのバス、高音をそれぞれ切り換えたときに かなりのスクラッチノイズが入ります。

    AMP修理工房での事例McIntosh C22の修理では オリジナルの黒いコンデンサーを白いタイプに交換されていますが、 そのほうが音質は改善されるのでしょうか?
    • 回答=音質改善が目的では無く、劣化部品の交換が主目的。
      結果的に、現在のコンデンサーの性能向上の為、音質は、立ち上がり・立ち下がりが早くなり、
      音に切れがでます、高域の伸びが出ます。
      但し、音質改善が目的では無く、下記の様に劣化しているので、交換します

T. 修理前点検測定

B. 原因
  • 経年変化による劣化。

C. 修理状況
  • フィルム・コンデンサー交換。
    電解コンデンサー交換。
    MT9ピンソケット交換。
    遅延リレー組込。
    配線手直し、補強。
    経年劣化による各部ハンダ補正。
    電源投入時、出力遅延回路組込、遮断時速断。

D. 使用部品 
  • フィルム・コンデンサー           16個。
    電解コンデンサー              12個。
    MT9ピンソケット               6個。
    リレー                      1個。
    整流ダイオード                2個。
    整流ブリッジ                  1個。
    抵抗                       4個。

E. 調整・測定

F. 上位測定器による 調整・測定


G. 修理費  108,000円  オーバーホール修理。
                      真空管別途。

S. Mcintosh C22 の仕様(カタログ・マニアルより)

交換部品、ご覧の様に、経年変化でばらついている
A. 修理前の状況
A1A. 点検中 外観上から、6角頭の白い止めネジは真新しい
A1B. 点検中 外観下から、6角頭の白い止めネジは真新しい
A1C. 点検中 前から
A1D. 点検中 後から、6角頭の白い止めネジは真新しい
A2A. 点検中 上から
A2B. 点検中 何の番号?
A2C. 点検中 下から
A2D. 点検中 下蓋の何か液漏れの跡
A2E. 点検中 高圧整流はダイオードに交換されている
A3A. 点検中 ソケット比較、交換するのは金メッキ端子ステアタイト製
       接触不良が有ったのか、接点復活材が使用されていた、この様な高圧部分や大電流が流れる場所は使用しない方が良い。
A4A. 点検中 使用している真空管、ソケット比較、「Mullardの刻印」だけがいやに綺麗
A4B. 点検中 新品真空管と使用している真空管の比較、袴の部分を見れば一目瞭然!
T. 修理前点検測定
T1. 出力・歪み率測定・調整
    <見方>
   下左オーディオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出し(歪み率=約0.003%)これをAMPに入力し、SPからの出力を測定。
   下中オシロ=入力波形(オーディオ発振器のTTLレベル)   下右上=周波数計。
   上左端電圧計=L側SP出力電圧測定、黒針のみ使用。
   上中左歪み率計=SP出力の歪み率測定 左メータ=L出力、右メータ=R出力。
   上中右=R側SP出力電圧測定、赤針のみ使用。
   上右端オシロ=SP出力波形 上=R出力、下=L出力。
   下中右上デジタル電圧計=SP出力電圧測定RLは切り替えて測定。
T2A. 出力電圧1V 歪み率 R=0.16% L=0.07% MM入力 at=1000HZ
T2B. 出力電圧1V 歪み率 R=0.28% L=0.1% MM入力 at=400HZ
C. 修理状況
C1. 修理中 真空管基板を外して修理する
C1A. 修理中 真空管ソケットを交換する為に、 配線を外した所。壊すのでは無いので、非常に時間が掛かる!
C1B. 修理前 取り出した真空管ソケットの付いたユニット
C1C. 修理後 取り出した真空管ソケットの付いたユニット
C1D. 修理前 取り出した真空管ソケットの付いたユニット裏
C1E. 修理後 取り出した真空管ソケットの付いたユニット裏
C2A. 修理前 真空管ソケット
C2B. 修理後 真空管ソケット
C2C. 修理中 真空管ソケットは「鳩目+菊座金」の念入りの止め方法!
C2D. 修理後 真空管ソケット交換後、裏から見る
C3A. 修理前 メイン基盤
C3B. 修理後 メイン基盤  電解コンデンサ−2個、フイルム・コンデンサー10個交換 
C3C. 修理前 メイン基盤裏
C3D. 修理(半田補正)後  メイン基盤裏 フイルム・コンデンサー6個交換
C4A. 修理前 基板2 フイルム・コンデンサー2個交換
C4B. 修理後 基板2
C5A. 修理前 電源部
C5B. 修理後  電源部 整流器、電解コンデンサー全部交換する。出力遅延回路組み込み
C6A. 修理中 前パネルを外して、ランプ交換中
C6B. 修理中 (TAPE−JACKS)フォノジャックが割れているので、接着する
C6C. パネル清掃、合わせ構造なので、布に染みこませて拭く
C7. 交換部品
C8A. 修理前 上から
C8B. 修理後 上から、上の出力RCA端子横に「交換電源投入時、プリ出力遅延回路組込
C8C. 修理前 下から
C8D. 修理後 下から
E. 測定・調整
E1. 出力・歪み率測定・調整
    <見方>
   下左オーディオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出し(歪み率=約0.003%)これをAMPに入力し、SPからの出力を測定
   下中オシロ=入力波形(オーディオ発振器のTTLレベル)   下右上=周波数計
   上左端電圧計=L側SP出力電圧測定、黒針のみ使用
   上中左歪み率計=SP出力の歪み率測定 左メータ=L出力、右メータ=R出力
   上中右=R側SP出力電圧測定、赤針のみ使用
   上右端オシロ=SP出力波形 上=R出力、下=L出力
   下中右上デジタル電圧計=SP出力電圧測定RLは切り替えて測定
E2A. 出力 1V 0.03%歪み率 AUX入力 1000HZ。
E2B. 出力 1V 0.02%歪み率 AUX入力 400HZ。
E2A. 出力 8V 0.1%歪み率 AUX入力 1000HZ。
E2B. 出力 8V 0.1%歪み率 AUX入力 400HZ。
E3A. 出力 1V 0.02%歪み率 MM入力 1000HZ。
E3B. 出力 1V 0.03%歪み率 MM入力 400HZ。
E4A. 出力 1V 0.03%歪み率 MIC入力 1000HZ。
E4B. 出力 1V 0.04%歪み率 MIC入力 400HZ。
F. 上位測定器による 調整・測定
F0. 下のオーディオアナライザーVP−7732Aで自動測定。
F2A. 入出力特性測定(AUX入力)、AUX入力端子へ100mV一定入力 VRはmax 平均で1V出力
                                                    左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
2B. 歪み率測定 AUX入力端子へ100mV一定入力、メインVRはmax
                            左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色。 レベルは測定器任せの全自動。  
F2C. 入出力特性測定(AUX100mV入力)、BASS & TREBLE VRはmax(最大位置)
                                                    左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F2D. 入出力特性測定(AUX100mV入力)、BASS & TREBLE VRはmin(最小位置)
                                                    左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F2E. 入出力特性測定(AUX100mV入力)、RUMBLO & HF FILTER ON
                                                   左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
3A. 入出力特性測定(MM入力)
                MM入力 入力電圧=0.5mV一定入力 VRはmax  左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
4A. 入出力特性測定(MIC入力)、入力電圧=2mV一定入力、VRはmax 
                                                   左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
4B. 歪み率測定(MIC入力)、入力電圧=2mV一定入力 VRはmax 
                                                    左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
E5. 完成 24時間エージング
S. Mcintosh C22 の仕様(マニアル・カタログより)
型式 管球式コントロールアンプ C22
周波数特性 20Hz〜20kHz、 +-0.5dB
全高調波歪率 0.2%以下(出力10V)、0.02%以下(出力3V)
入力感度/インピーダンス
2.5V OutPut
Phono1、2 = 2mV/47kΩ(1kHz)。
Microphone = 2.5mV/47kΩ(1kHz)。
Aux1、2 = 250mV/250kΩ。
TAPE1.2 = 250mV/250kΩ。 Tuner/CD = 250mV/250kΩ。
SN比 SN比=85dB(ハイレベル)、SN比=62.5dB(ローレベル)
Bass Control +-20dB at 20Hz
Treble Control +-20dB at 20kHz
LF Filter CutOff Below 50Hz (Down 30dB @20Hz)
HF Filter CutOff Above 5kHz (Down 30dB @20kHz)
使用真空管 12AX7(ECC83)×6本
定格消費電力 最大34W
ACアウトレット スイッチド(4)、アンスイッチド(1)
外形寸法 幅406.4mm×高さ138mm×奥行330.2mm
重量 約7.3kg
定価 1962〜1972年発売。
(2009年復刻版)¥693,000
                        c-22-41m
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