DENON POA−1000B 修理記録
寸評
このAMPに使用している、6GB8は、6CA7をベ−スに東芝が開発した、世界に誇る球でした。
その昔、メ−カ−発表より遥かなスペックを、奥に秘めた、この玉に、若き夢が騒いだのを、懐かしく思い出す。
今は、この様な、人・物・製品が無いですね、皆カタログ以下!
但し、製造中止の品、現存する良品は、数少ない事に十分注意!TV−2C/U で 「Toshiba 6GB8」測定
入手できないときは「KT−88や+6L6GC」に交換する(回路変更必要)。 そのままで差し替えると、バイアスが異なる為、真空管・出力トランスを焼損します。
このAMPもSPラインを共通に、又、ア−スしてはいけない。 前段12BH7と直結なので、良質な物が必要。
平成14年11月5日到着   12月26日完成
A. 修理前の状況
  • @ある日突然Lchから音が出なくなりました。
      そこで、球を左右入れ替えてみましたが, 症状には変化なく、素人判断ですが、球には異常はなさそうでした。
  • A過去の修理暦;だいぶ前になりますが、DENONがサービスを受け付けていたころ、 一度出張修理を受けました。
    たぶん、原因不明のノイズのためだったと思います。
  • B2年前、出力管6GB8が赤熱するなどの異常があり、たまたま、詳しい知人がおりましたので修理してもらいました。
    おおよそ以上のとおりですが、6GB8をはじめ予備の真空管は大体そろえてあります。

B. 原因
  • 経年の熱による基板破壊、半田不良多数。

C. 修理状況
  • 基板修理。
    全真空管ソケット交換。
    電解コンデンサー増量交換。
    フイルムコンデンサー交換。
    入力RCA端子交換 。
    基板・配線手直し、補強。
    半固定VR交換。

D. 使用部品
  • 整流ダイオード           5個。
    フイルムコンデンサー       10個。
    タイト製USソケット         4個。
    タイト製MTソケット         8個。
    RCA入力端子           2個。
    電解コンデンサー          18個。
    抵抗                  5個。
    半固定VR              5個。

E. 調整・測定

F. 修理費  120,000円    オーバーホール修理。
                        但し、真空管は別途支給です。

S. DENON POA1000B の仕様(マニアルより)

A. 修理前の状況
A1. 点検中 シャーシ下から見る、6GB8のソケットもプリント基板使用、お陰で熱の為ハンダ不良続出
          この基板を取り出し、配線補強する
A2. 点検中 L側基板、熱の為、基板の銅箔の断線、取りあえずバラック修理、3ヶ所こちら側から配線して有ります
          この基板はスルホール基板です、高熱になる為、銅、ガラスエポキシ基板の熱膨張が異なるので、銅箔が切れる
          フイルムコンデンサー、電解コンデンサー、半固定VR、整流ダイオ−ド全交換、抵抗1部交換
A3. 点検中 R側基板
          フイルムコンデンサー、電解コンデンサー、半固定VR、整流ダイオ−ド全交換、抵抗1部交換
A4. 点検中 出力・歪み測定 SP出力=28V=98W 歪み率=1.4% 1000HZ
A5. 点検中 出力・歪み測定 SP出力=28V=98W 歪み率=1.4% 1000HZ
A6. 点検中 出力が出ないのは、電源電圧が96Vまで下がります
A7. 点検中 無信号時の電源電圧が99V
A8. 点検中 熱で劣化している「6GB8」のソケット。 交換する。
A9. 点検中 交換する、RCA端子。
C. 修理状況
C1. L側VRの修理 この時代のはこの様に分解出来る
C2. L側VRの修理 抵抗体
    接点復活材を大量に使用したので、上の左のグリスを溶かしだした右半分は、接点復活材で拭き取った
C3.L側VRの修理 抵抗体の後ろ、まだびっしりと付いている
C4. L側VR 解体修理
    接点復活材を使用したので、接点に緑青が出ている、右半分は、接点復活材で拭き取った
C5. R側VRの修理 抵抗体と摺動部 内側の所が真っ黒
C6. R側VRの修理 接点復活材で清掃後
C7. L基板裏 スルホ−ルがあちこちで危険状態
C8. L基板裏 拡大 接触不良になり、基板が断線した所
C9. L基板裏 拡大 このべたべたは、接点復活材を大量に使用した残骸の様子
     上記の接触不良の原因の1つ
C10. L基板裏 ソケットを取り外し、半田部分のコ−トを剥がした所 スルフォールは錫メッキ線を通して補強する
C11. L基板裏 修理完成後 高温になるので、フラックス(松脂)は出来るだけ取る
C12. L基板表 ソケットを取り外し、半田部分のコ−トを剥がした所
C13. L基板表 修理完成後 高温になるので、フラックス(松脂)は出来るだけ取る
C14. R基板裏 スルホールがあちこちで危険状態
C15. R基板裏 ソケットを取り外し、半田部分のコートを剥がした所
C16. L基板裏 修理完成後 高温になるので、フラックス(松脂)は出来るだけ取る
C17. R基板表 スルホールがあちこちで危険状態
C18. R基板表 ソケットを取り外し、半田部分のコートを剥がした所 スルフォールは錫メッキ線を通して補強する
C19. R基板表 修理完成後 高温になるので、フラックス(松脂)は出来るだけ取る
C20. 修理前 メーターAMP基板
C21. 修理後 メーターAMP基板 電解コンデンサー増量・交換
C22. 修理前 メーターAMP基板裏
C23. 修理(半田補正)後 メーターAMP基板裏
C24. R側メーターのパネルネジが取れている?
C25. ゴミ進入防止のスポンジもぼろぼろなので、RL共組直す
C26. 電球も消耗しているので交換する 右交換する物
C27. 修理後 完成 後ろから見る アルミの遮熱板が有効
C28. 修理後 完成 下から見る
      真ん中下の所=電源投入時のラッシュカーレント保護のため、トライアックを使用している
C29. 交換部品
E. 調整・測定
E1. 調整・出力測定
E2. R側SP出力29V=105W 歪み率=1.4%  1000HZ
E3. R側SP出力29V=105W 歪み率=1.4%  400HZ
E4. L側SP出力30V=112W 歪み率=1.4%  1000HZ
E5. L側SP出力30V=112W 歪み率=1.4%  400HZ
E6. その時のVUメーター
E7.  12時間エージング中。
S. DENON POA−1000Bの仕様(マニアルより)
型式 管球式ステレオパワーアンプ POA−1000B
定格出力(両ch駆動、正弦波連続出力) 110W+110W(1kHz)、 100W+100W(20Hz〜20kHz)
全高調波歪率(定格出力時) 0.2%以下(1kHz)、 0.5%以下(20Hz〜20kHz)
混変調歪率 0.8%以下
出力帯域幅(両ch駆動) 8Hz〜40kHz
伝達周波数特性 5Hz〜150kHz +0 -3dB
出力インピーダンス 0.5Ω以下(8Ω)
残留雑音 0.5mV以下(8Ω)
クロストーク(Line in〜Speaker out) -95dB以下(1kHz)
入力感度/インピーダンス 1Vrms/250kΩ
フィルター(ローカットフィルター) 18Hz、(-18dB/oct)
レベルメーター指示範囲 -55dB〜+5dB(最大出力から1mWまで等間隔目盛)
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 320W
外形寸法 幅410×高さ117×奥行386mm
重量 34kg
価格 \350,000(1976年頃)受注生産品
                       po1000b0a
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