KENWOOD KA−9300. 3台目修理記録
平成24年5月3到着  10月27日完成
A. 修理前の状況
  • 数年前から、左スピーカーからの音が突然出たり出なくなっ たりしたため、ボリュームをいじくりまわして音が出るときもあった為我慢していました。
    そうしてるうちとうとう音が出なくなり、右側だけで我慢していたのですが!ついに右側も出たり出なくなったりになりました。
     若いうちは仕事等に追われてあまり音楽を楽しむ時間が取れませんでしたが、 還暦を過ぎてからは少し余裕が出来たので、忘れるくらい昔に購入した、レコード等 が懐かしくなり、アンプを何とか復活したい。
    三十数年前に購入した思い入れのあるものです。

B. 原因
  • 各部劣化。

C. 修理状況
  • SP(speaker)接続リレー交換。
    初段TR(トランジスター)交換。
    RLバイアス・バランスVR(VolumeResistance)交換。
    電解コンデンサー交換(オーディオコンデンサー使用)。

D. 使用部品
  • SP接続リレ−                         1個。
    FET(電界トランジスタ−)                  2個。
    バイアス/バランス半固定VR               4個。
    電解コンデンサー                       77個。

E. 調整・測定

F. 修理費   95,000円  

S. KENWOOD KA−9300. の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後左から見る
A15. 点検中 上から見る
A16. 点検中 上蓋を取り、右半分清掃し、上から見る
A17. 点検中 上蓋を取り、清掃し、上から見る。 非常に綺麗で「1970年代の鼓動」が聞こえる!
A18. 点検中 終段TR(トランジスター)供給電源 電解コンデンサーは71V1800μF4本。
A21. 点検中 下から見る
A212. 点検中 下から見る、「昭和63年8月22日」の修理シール。
A22. 点検中 下蓋を取り、下から見る
A23. 点検中 下蓋・シールドを取り、下から見る
A24. 点検中 下蓋裏の埃
A31. 点検中 下前から見る
A32. 点検中 下前左から見る
A33. 点検中 下後から見る
A25. 点検中 下後右から見る
A31. 点検中 ラッピングが多く、修理は大変! 「R側ドライブ基板」
A32. 点検中 ラッピングが多く、修理は大変! 「L側ドライブ基板」
A33. 点検中 ラッピングが多く、修理は大変! 「整流・SP接続リレー基板」
A34. 点検中 ラッピングが多く、修理は大変! 「PowerSupply基板コネクター」
C. 修理状況
C11. 修理前 R側ドライブ基板
C12. 修理後 R側ドライブ基板 半固定VR3個、電解コンデンサー6個、FET(電界トランジスター)、TR(トランジスター)4個交換
C13. 修理前  R側ドライブ基板裏
C14. 修理(半田補正)後  R側ドライブ基板裏 半田を全部やり直す。 普通はこれで完成
C14. 完成  R側ドライブ基板裏 不要なフラックスを落とし、洗浄後防湿材を塗る。
C15. 修理前  R側ドライブ基板のラッピング
C15. 修理中  R側ドライブ基板のラッピングをした所。
C16. 修理後  R側ドライブ基板のラッピング、 半田をしみ込ませる。
C21. 修理前  L側ドライブ基板
C22. 修理後 L側ドライブ基板 半固定VR3個、電解コンデンサー6個、FET(電界トランジスター)、TR(トランジスター)4個交換
C23. 修理前  L側ドライブ基板裏
C24. 修理(半田補正)後  L側ドライブ基板裏 半田を全部やり直す。 普通はこれで完成
C25. 完成  L側ドライブ基板裏 不要なフラックスを落とし、洗浄後防湿材を塗る。
C26. 修理前  L側ドライブ基板のラッピング
C27. 修理中  L側ドライブ基板のラッピングをした所
C28. 修理後  L側ドライブ基板のラッピング、 半田をしみ込ませる。
C31. 修理前  整流・SP接続リレー基板
C32. 修理後  整流・SP接続リレー基板  SP接続リレー交換
C33. 修理前  整流・SP接続リレー基板裏
C332. 修理前  整流・SP接続リレー基板裏、ラッピングを取る時の力で半田がヒビ割れ!
C34. 修理(半田補正)後  整流・SP接続リレー基板裏
C35. 完成整流・SP接続リレー基板裏 不要なフラックスを落とし、洗浄後防湿材を塗る。
C36. 修理前 整流・SP接続リレー基板のラッピング
C37. 修理中 整流・SP接続リレー基板のラッピングをした所
C38. 修理後 整流・SP接続リレー基板のラッピング、 半田をしみ込ませる。
C41. 修理前 PowerSupply基板 この基板のみコネクター使用
C42. 修理後 PowerSupply基板 電解コンデンサー16個交換
C43. 修理前 PowerSupply基板裏
C432. 修理前 PowerSupply基板裏、 半田不良ケ所多数。
C433. 修理前 PowerSupply基板裏、 半田不良ケ所多数2。
C44. 修理(半田補正)後 PowerSupply基板裏 半田を全部やり直す。 普通はこれで完成
C45. 完成PowerSupply基板裏 不要なフラックスを落とし、洗浄後防湿材を塗る。
C46. 修理前 PowerSupply基板コネクター・ラッピング
C47. 修理後 PowerSupply基板コネクター・ラッピング、 半田をしみ込ませる。
C50. 修理中  前面パネルを取り修理する。
C51. 修理前 Tone基板
C52. 修理後 Tone基板 電解コンデンサー26個交換
C53. 修理前 Tone基板裏
C54. 修理(半田補正)後 Tone基板裏 半田を全部やり直す。 普通はこれで完成
C55. 完成Tone基板裏 不要なフラックスを落とし、洗浄後防湿材を塗る。
C56. 修理前 Tone基板ラッピング。
C57. 修理後 Tone基板ラッピング、 半田をしみ込ませる。
C61. 修理前 Filter基板
C62. 修理後 Filter基板 電解コンデンサー6個交換
C63. 修理前 Filter基板裏
C64. 修理(半田補正)後 Filter基板裏 半田を全部やり直す。 普通はこれで完成
C65.完成Filter基板裏 不要なフラックスを落とし、洗浄後防湿材を塗る。
C66. 修理前  Filter基板ラッピング。
C67. 修理後  Filter基板ラッピング、 半田をしみ込ませる。
C68. 修理前  Filter基板ラッピング2
C69. 修理後  Filter基板ラッピング2、 半田をしみ込ませる。
C6A. 修理前  Filter基板裏板ラッピング
C6B. 修理後  Filter基板裏板ラッピング、 半田をしみ込ませる。
C71. 修理前  Pure基板
C72. 修理後  Pure基板 電解コンデンサー16個交換
C73. 修理前  Purer基板裏
C74. 修理(半田補正)後  Pure基板裏 半田を全部やり直す。 普通はこれで完成
C75. 完成 Pure基板裏 不要なフラックスを落とし、洗浄後防湿材を塗る。
C76. 修理前  Pure基板ラッピング
C77. 修理後  Pure基板ラッピング、 半田をしみ込ませる。
C78. 修理前  Pure基板ラッピング2
C79. 修理後  Pure基板ラッピング2、 半田をしみ込ませる。
C7A. 修理前  Pure基板裏ラッピング
C7B. 修理後  Pure基板裏ラッピング、 半田をしみ込ませる。
C7C. 修理前  Pure基板裏ラッピング2
C7D. 修理後  Pure基板裏ラッピング2、 半田をしみ込ませる。
C81. 修理前  Muting基板
C82. 修理後  Muting基板 電解コンデンサー交換
C83. 修理前  Muting基板裏
C84. 修理(半田補正)後 Muting基板裏 半田を全部やり直す。 普通はこれで完成
C85. 完成Muting基板裏 不要なフラックスを落とし、洗浄後防湿材を塗る。
C86. 修理前  Muting基板ラッピング
C87. 修理後  Muting基板ラッピング、 半田をしみ込ませる。
C88. 修理前  Muting基板ラッピング2
C89. 修理後  Muting基板ラッピング2、 半田をしみ込ませる。
C91. 修理前 PHONO1 入力インピーダンス切換SW基板
C92. 修理前 PHONO1 入力インピーダンス切換SW基板裏
C93. 修理(半田補正)後 PHONO1 入力インピーダンス切換SW基板裏 半田を全部やり直す。
C94. 完成PHONO1 入力インピーダンス切換SW基板裏、不要なフラックスを落とし、洗浄後防湿材を塗る。
C95. 修理前 PHONO1 入力インピーダンス切換SW基板ラッピング
C96. 修理後 PHONO1 入力インピーダンス切換SW基板ラッピング、 半田をしみ込ませる。
CA1. 修理中  R終段TR(トランジスター)、放熱シリコンに湿り気があるので、増す締めする。
CA2. 修理中  L終段TR(トランジスター)、放熱シリコンに湿り気があるので、増す締めする。
CB. パネル洗浄
CC. 交換した部品
CD1. 修理前 上から見る
CD2. 修理後 上から見る
CD3. 修理前 下から見る
CD4. 修理後 下から見る、大型電解コンデンサーにフイルムコンデンサー4個追加
E. 測定・調整
E1. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E21. AUX_50Hz入力、R側SP出力電圧32V=128W出力、 0.0085%歪み。
                 L側SP出力電圧32V=128W出力、 0.0078%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. AUX_100Hz入力、R側SP出力電圧32V=128W出力、 0.0083%歪み。
                  L側SP出力電圧32V=128W出力、 0.0099%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. AUX_500Hz入力、R側SP出力電圧32V=128W出力、 0.013%歪み。
                  L側SP出力電圧32V=128W出力、 0.014%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. AUX_1kHz入力、R側SP出力電圧32V=128W出力、 0.016%歪み。
                 L側SP出力電圧32V=128W出力、 0.017%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. AUX_5kHz入力、R側SP出力電圧32V=128W出力、 0.035%歪み。
                 L側SP出力電圧32V=128W出力、 0.035%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E26. AUX_10kHz入力、R側SP出力電圧32V=128W出力、 0.039%歪み。
                  L側SP出力電圧32V=128W出力、 0.040%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. AUX_50kHz入力、R側SP出力電圧27V=91W出力、 0.050%歪み。
                  L側SP出力電圧27V=91W出力、 0.051%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
                 この当たりから、フイルターが効いてきます。
E28. AUX_100kHz入力、R側SP出力電圧20V=50W出力、 0.21%歪み。
                   L側SP出力電圧20V=50W出力、 0.21%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E31. MM_50Hz入力、R側SP出力電圧32V=128W出力、 0.019%歪み。
                L側SP出力電圧32V=128W出力、 0.018%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E32. MM_100Hz入力、R側SP出力電圧32V=128W出力、 0.019%歪み。
                 L側SP出力電圧32V=128W出力、 0.019%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E33. MM_500Hz入力、R側SP出力電圧32V=128W出力、 0.026%歪み。
                 L側SP出力電圧32V=128W出力、 0.039%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E34. MM_1kHz入力、R側SP出力電圧32V=128W出力、 0.024%歪み。
                L側SP出力電圧32V=128W出力、 0.024%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E35. MM_5kHz入力、R側SP出力電圧32V=128W出力、 0.033%歪み。
                L側SP出力電圧32V=128W出力、 0.051%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E36. MM_10kHz入力、R側SP出力電圧32V=128W出力、 0.045%歪み。
                 L側SP出力電圧32V=128W出力、 0.048%歪み。
                「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E37. MM_50kHz入力、R側SP出力電圧32V=128W出力、 0.064%歪み。
                 L側SP出力電圧32V=128W出力、 0.083%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E38. MM_100kHz入力、R側SP出力電圧21V=55W出力、 0.3%歪み。
                  L側SP出力電圧21V=55W出力、 0.31%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
              この当たりから、フイルターが効いてきます。
E4. フルパワーなので、24V高速フアンが全回転でクーリング。
寸評
   配置は非常に良く、良いAMPなのですが、修理にはラッピングが難点! 価格を後5000円上げても、コネクターを使用して欲しかった
S. KENWOOD KA−9300. の仕様(マニアル・カタログより) 
実効出力 120W+120W(20Hz〜20kHz,両ch動作8Ω出力)
125W+125W(1kHz,両ch動作8Ω出力)
140W+140W(20Hz〜20kHz,両ch動作4Ω出力)
全高調波歪率 0.05%(定格出力時,8Ω出力)
0.03%(1W出力時,20Hz〜20kHz,8Ω出力)
混変調歪率 0.05%(定格出力時,8Ω出力)
0.05%(1W出力時,20Hz〜20kHz,8Ω出力)
出力帯域特性 5Hz〜50kH(IHF規格)
SN比 110dB以上(IHF-Aカーブ使用)
入力感度 1.0V
入力インピーダンス 100kΩ
ダンピングファクター 50 、 80(ダイレクト端子使用時)
最適負荷インピーダンス 4Ω〜16Ω
周波数特性 DC〜70kHz、 +0dB−1dB
プリAMP入力端子
 感度/インピーダンス/SN比(IHF-Aカーブ)
PHONO1   2.5mV/30・50・100kΩ/76dB(5mV入力)
PHONO2   2.5〜5mV/50kΩ/76dB(5mV入力)
TUNER    150mV/50kΩ/96dB
AUX       150mV/50kΩ/96dB
TAPE PLAY 150mV/50kΩ/96dB
プリAMP出力端子
 出力レベル/出力インピーダンス
TAPE REC PIN端子 150mV/600Ω
TAPE REC DIN端子  30mV/80kΩ
プリAMPアウト出力インピーダンス 2.5kΩ以下
プリAMP部 出力歪 0.02%(1V出力時)
プリAMP許容最大入力 PHONO1 220mV(1kHz,歪0.05%)
PHONO2 220mV〜440mV(1kHz,歪0.05%)
プリAMP周波数特性 TUNER・AUX・TAPE PLAY 7Hz〜50kHz+0,−1dB
PHONO RIAA偏差 ±0.2dB
プリAMPトーンコントロール BASS   150Hz・40Hz ±7.5dB
        400Hz・100Hz±7.5dB
TREBLE  3kHz・10kHz ±7.5dB
         6kHz・20kHz ±7.5dB
プリAMPフィルター SUBSONIC  18Hz 12dB/oct
LOW       40Hz 12dB/oct
HIGH       8kHz 12dB/oct
プリAMPラウドネスコントロール +2dB/+4dB/+6dB/+8dB(−30dB出力時・100Hz)
プリAMPアッテネーター 0,−15dB,−30dB
電源電圧・電源周波数 100V・ 50Hz/60Hz
定格消費電力 290W(電気用品取締法に基づく表示)
電源コンセント 電源スイッチ連動   2個(200W)
        非連動 1個(100W)
外形寸法 440mmW×154mmH×393mmD
重量 約19kg
価格 15万円/  1976年
                     9300-33f
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