McIntosh MC2255. 4台目修理記録
 平成26年12月20日到着  平成27年8月6日完成
A. 修理前の状況
  • 先日、約20年ぶりにマッキントッシュMC2255の電源を入れ、レコードを聴いておりました。
    1時間を過ぎたあたり、次のレコードを選んでいると突然スピーカーからガリッと音が出て、 なんか焦げ臭い?
    すぐに電源切にしましたが、上から見て左端のメッシュで囲われたあたりから異臭・・・
    なんか化学的な刺激臭がします。
    怖いので、その後は電源を入れてません。
    思い出のあるアンプなのに、実家に20年も置いたままにしておりました。
    当時はエスカレートする親父のオーディオ熱に、私の方が嫌気がさしたのかも知れません。
    そんな親父も他界して10年、私のMC2255は使用されずにラックの一番下にありました。
    結構、錆が出ていますが、やはり美しい。
    またブルーのメーターを見ながらレコードを聴きたく思います。


B. 原因
  • 前段TR(トランジスター)の断線により、L側終段TR(トランジスター)焼損
    純正のTR(トランジスター)は入手難で、入手しても、既存と特性が近い保証が無。
    よって、RL共現在のTR(トランジスター)に置き換える。
    他各部経年劣化。

C. 修理状況
  • 電解コンデンサー交換。
    配線手直し、補強。
    経年劣化による各部ハンダ補正。
    OP−AMP交換。
    終段TR(トランジスター)交換。2種20個購入して2種12個選別して使用する。
    終段TR(トランジスター)エミッター抵抗交換。
    前段TR(トランジスター)交換。


D. 使用部品
  • 電解コンデンサ−                  39個ミューズ使用。
    OP−AMP                      2個。
    フイルム・コンデンサ−              12個。
    半固定VR                      6個。
    終段TR(トランジスター)              12個。
    終段TR(トランジスター)エミッター抵抗      6個。
    前段TR(トランジスター)              8個。


E. 調整・測定

F. 修理費  124,000円   オーバーホール修理。

Y. ユーザー宅の設置状況

S. McIntosh MC2255 の仕様(マニアル・カタログより)


A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A132. 点検中 後から見る、 錆が発生している、CRCでどの程度落ちるか?
A14. 点検中 後左から見る
A15. 点検中 上から見る
A21. 点検中 下から見る。
A22. 点検中 下前から見る
A23. 点検中 下前左から見る
A24. 点検中 下後から見る
A25. 点検中 下後右から見る
A31. 点検中 下蓋を取り、下から見る
A32. 点検中 電源・整流部分
A41. 点検中 左側マイナス側終段TR(トランジスター)。
A42. 点検中 左側マイナス側終段TR(トランジスター)、 短絡の放電でケースに穴が開いている。
A43. 点検中 左側マイナス側終段TR(トランジスター)裏。
A51. 点検中 交換する終段TR(トランジスター)のhfe測定。 2種20個購入して2種12個選別して使用する。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C11. 修理前 R−AMP基板
C12. 修理後 R−AMP基板 OP−AMP(撮影後)、電解コンデンサー9個、半固定VR2個交換
C13. 完成R−AMP基板 洗浄後防湿材を塗る。
C14. 修理前 R−AMP基板裏
C15. 修理(半田補正)後 R−AMP基板裏。 全半田やり直す。
C16. 完成R−AMP基板裏   洗浄後防湿材を塗る。
C21. 修理前 L−AMP基板
C22. 修理後 L−AMP基板 OP−AMP(撮影後)、電解コンデンサー9個、半固定VR2個交換
C23. 完成L−AMP基板 洗浄後防湿材を塗る。
C24. 修理前 L−AMP基板裏
C25. 修理(半田補正)後 L−AMP基板裏。 全半田やり直す。
C26. 完成L−AMP基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C31. 修理前 定電圧・制御基板
C32. 修理後 定電圧・制御基板 電解コンデンサー11個交換
C33. 完成定電圧・制御基板 洗浄後防湿材を塗る。
C34. 修理前 定電圧・制御基板裏
C35. 修理(半田補正)後 定電圧・制御基板裏。 全半田やり直す。
C36. 完成定電圧・制御基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C41. 修理前 VU−AMP基板
C42. 修理後 VU−AMP基板 電解コンデンサー9個交換
C43. 完成VU−AMP基板 洗浄後防湿材を塗る。
C44. 修理前 VU−AMP基板裏
C45. 修理(半田補正)後 VU−AMP基板裏。 全半田やり直す。
C46. 完成VU−AMP基板裏  洗浄後防湿材を塗る。
C51. 修理前  メータ・イルミネーション・ランプ基板。 綺麗なので清掃のみ。
C52. 修理前  メータ・イルミネーション・ランプ基板裏
C53. 修理(半田補正)後  L側メータ・イルミネーション・ランプ基板裏。 全半田やり直す。
C54. 完成メータ・イルミネーション・ランプ基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C61. 修理前 Status・LED表示基板
C62. 完成Status・LED表示基板 洗浄後防湿材を塗る。
C63. 修理前 Status・LED表示基板裏
C64. 修理(半田補正)後 Status・LED表示基板裏。 全半田やり直す。
C65. 完成Status・LED表示基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C71. 修理中 入力切替SW
C72. 修理前 入力切替SW基板
C73. 修理後 入力切替SW基板 電解コンデンサー2個交換
C74. 修理前 入力切替SW基板裏
C75. 修理(半田補正)後 入力切替SW基板裏。 全半田やり直す。
C76. 完成入力切替SW基板裏  洗浄後防湿材を塗る。
C80. 修理前 R側終段ユニット
C81. 修理後 R側終段ユニット、 TR(トランジスター)8個交換。 2種20個購入して2種12個選別して使用する。
C82. 修理前 R側終段ユニット裏
C83. 修理後 R側終段ユニット裏
C84. 修理中 R側+終段出力TR(トランジスター)
C85. 修理(交換)後 R側+終段出力TR(トランジスター)、 TR(トランジスター)4個交換。
C86. 修理中 R側−終段出力TR(トランジスター)
C87. 修理(交換)後 R側−終段出力TR(トランジスター)、 TR(トランジスター)4個交換。
C88. 修理前 R側+終段基板
C89. 修理(半田補正)後 R側+終段基板。 全半田やり直す。
C8A. 完成R側終段+終段基板 洗浄後防湿材を塗る。
C8B. 修理前 R側−終段基板裏
C8C. 修理(半田補正)後 R側−終段基板裏。 全半田やり直す。
C8D. 完成R側終段−終段基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C9E. 修理前 R側−終段基板
C9F. 修理(半田補正)後 R側−終段基板。 全半田やり直す。
C9G. 完成R側−終段基板 洗浄後防湿材を塗る。
C9H. 修理前 R側−終段基板裏
C9I. 修理(半田補正)後 R側−終段基板裏。 全半田やり直す。
C9J. 完成R側−終段基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C8E. 修理前 R側+終段基板引き出し線半田
C8F. 修理(半田補正)後 R側+終段基板引き出し線半田
C8G. 修理前 R側−終段基板引き出し線半田
C8H. 修理(半田補正)後 R側−終段基板引き出し線半田。 全半田やり直す。
C90. 修理前 L側終段ユニット
C91. 修理後 L側終段ユニット、 TR(トランジスター)8個交換。 2種20個購入して2種12個選別して使用する。
C92. 修理前 L側終段ユニット裏
C93. 修理後 L側終段ユニット裏
C94. 修理中 L側+終段出力TR(トランジスター)
C95. 修理(交換)後 L側+終段出力TR(トランジスター)、 TR(トランジスター)4個交換。
C96. 修理中 L側−終段出力TR(トランジスター)、 放熱シリコングリスが少ない!
C97. 修理(交換)後 L側−終段出力TR(トランジスター)、 TR(トランジスター)4個交換。
C98. 修理前 L側+終段基板
C99. 修理(半田補正)後 L側+終段基板。 全半田やり直す。
C9A. 完成L側終段+終段基板 洗浄後防湿材を塗る。
C9B. 修理前 L側+終段基板裏
C9C. 修理(半田補正)後 L側+終段基板裏。 全半田やり直す。
C9D. 完成L側終段+終段基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C9E. 修理前 L側−終段基板
C9F. 修理(半田補正)後 L側−終段基板。 全半田やり直す。
C9G. 完成L側−終段基板 洗浄後防湿材を塗る。
C9H. 修理前 L側−終段基板裏
C9I. 修理(半田補正)後 L側−終段基板裏。 全半田やり直す。
C9J. 完成L側−終段基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C9K. 修理前 L側+終段基板引き出し線半田
C9L. 修理(半田補正)後 L側+終段基板引き出し線半田。 全半田やり直す。
C9M. 修理前 L側−終段基板引き出し線半田
C9N. 修理(半田補正)後 L側−終段基板引き出し線半田。 全半田やり直す。
CA1. 修理前 R−AMP基板下のステンレスシャーシの錆び、ステンレスは釘1本+水分で錆が発生する。
           CRCで拭と少しは落ちる、これで錆の増殖が止まると良いのだが?
CA2. 修理(清掃)後 CRCではこの程度の効果。
CA3. 修理前 L−AMP基板下のステンレスシャーシの錆び、ステンレスは釘1本+水分で錆が発生する。
           CRCで拭と少しは落ちる、これで錆の増殖が止まると良いのだが?
CA4. 修理(清掃)後 CRCではこの程度の効果
CB1. 修理前 電源・整流部分
CB2. 修理後 電源・整流部分、 フイルムコンデンサー2個追加。
CC. 交換部品
CD1. 修理前 上から見る
CD2. 修理後 上から見る
CD3. 修理前 下から見る
CD4. 修理後 下から見る
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E1. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E21. 50Hz入力、R側SP出力電圧45V=235W出力、 0.022%歪み。
              L側SP出力電圧46V=264W出力、 0.021%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. 100Hz入力、R側SP出力電圧45V=235W出力、 0.023%歪み。
               L側SP出力電圧46V=264W出力、 0.023%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. 500Hz入力、R側SP出力電圧46V=264W出力、 0.018歪み。
               L側SP出力電圧46V=264W出力、 0.018%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. 1kHz入力、R側SP出力電圧46V=264W出力、 0.017%歪み。
              L側SP出力電圧46V=264W出力、 0.018%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. 5kHz入力、R側SP出力電圧46V=264W出力、 0.019%歪み。
             L側SP出力電圧46V=264W出力、 0.019%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. 10kHz入力、R側SP出力電圧46V=264W出力、 0.01%歪み。
               L側SP出力電圧46V=264W出力、 0.0098%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. 20kHz入力、R側SP出力電圧46V=264W出力、 0.025%歪み。
               L側SP出力電圧46V=264W出力、 0.023%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E3. フルパワーなので、24V高速フアンが全回転でクーリング。
E4. その時の出力メータ
Y. ユーザー宅の設置状況
Y1. 設置状況、 正面から見る。
DENON DP-5000, SME3009, SHURE V15typeV+
ONKYO Integra A-817EX (PRE OUTとして) +McIntosh MC2255 +ALTEC 612C 604-8G。

よく聴くソースは
女性ボーカル+コーラスでは、DIANA ROSS & SUPREMES (1962年〜1969年 &1980年)モータウン・ソウル。
男性ボーカル+コーラスでは、BOB MARLEY & WAILERS (1965年〜1973年)レゲエクラシック。
ダンス&ブラコンでは、CHIC (1977年〜1980年) BAR KAYS (1976年〜1988年)。
ウエストコーストロックでは、EAGLES (1972年〜1979年) DOOBIE BROTHERS (1971年〜1975年)
Y3. 設置状況、 プレヤー、アンプ見る。
S. MC2255 の仕様(マニアル・カタログより)
型式 ステレオパワーアンプ MC2255
実効出力 stereo=250W+250W(1Ω〜8Ω)
mono =500W(0.5Ω〜16Ω)
入力感度/インピーダンス 750mV、2.5V/50kΩ(切換可)
入力レベル調整 左右独立連続可変
全高調波歪率 0.02%(0.25W〜実効出力時、20Hz〜20kHz)
混変調歪率 0.02%(0.25W〜実効出力時、20Hz〜20kHz)
周波数特性 20Hz〜20kHz +0 -0.25dB
SN比 95dB
ダンピングファクター 30以上
入力インピーダンス 50kΩ
入力感度 0.5V〜2.5V調整可
パワーガード 2%以下(1kHz、20dB)
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 1.4kW(実効出力時)
外形寸法 幅411×高さ181×奥行368mm
重量 37.2kg
価格 1,098,000、1981年6月発売
                      2225-4-3h
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