Sansui AU−9500. 11台目 修理記録 
 平成16年6月29日持込   7月11日完了
A. 修理前の状況
  • お父さんの形見の品。
    お父さんが亡くなって以来、約27年間1度も音を出したことが無い。

T. 修理前の対策

B. 原因
  • 各部劣化。
    初段FET(電界効果トランジスター)/TR(トランジスター)劣化。

C. 修理状況
  • 調整用半固定VR交換。
    終段初段TR(トランジスター)交換。
    EQ−AMP−TR(トランジスター)交換。
    コントロ−ルAMP初段FET(電界効果トランジスター)/TR(トランジスター)交換。
    配線手直し、補強。
    各部、半田補正。
    コンデンサー交換。

D. 使用部品
  • 半固定VR                             4個。
    初段TR(トランジスター)                    4個。
    EQ−AMP−TR                          4個 。
    コントロールAMP−TR(トランジスター)           14個。
    コントロールAMP−FET(電界効果トランジスター)     2個。
    オ−デオ用ミューズ電解コンデンサー           49個。
    メタライズドフイルムコンデンサー              8個。
    電源増量電解コンデンサー                  5個。

E. 調整・測定

F. 修理費       70,000円    オーバーホール修理。
                            ガンバル息子へ励みの意味で特別価格。

S. SANSUI AU−9500 の仕様(マニアル・カタログより) 
    
T. 修理前の対策 この様に休眠時間が長い機器は、いきなり通電しないこと。
             下記の様にDC電圧で十分(10時間くらい)にトランス内の水分を除去する
A. 交換に使用するオーディオ用ミューズ電解コンデンサー
A1A. 点検中 清掃後、上から見る
A1B. 点検中 下から見る
B1. 修理前点検測定
B11. 出力/歪み率測定・調整  出力=24V=72W 歪み率2% at=1000HZ AUX端子入力
C. 修理状況
C1A. 修理前 R側 終段トランジスター 熱でシリコングリスが流れ出し殆ど無い
C1B. 修理後 R側 終段トランジスター
C1C. 修理前 L側 終段終段トランジスター 熱でシリコングリスが流れ出し殆ど無い
C1D. 修理後 L側 終段終段トランジスター
C2A. 修理前 R側終段基板
C2B. 修理後 R側終段基板 TR(トランジスター)2個 半固定VR2個 電解コンデンサー4個 フイルムコンデンサー2個交換
C2C. 修理前 R側終段基板裏
C2D. 修理後(半田補正) R側終段基板裏 全ての半田をやり直す
C2E. 完成 R側終段基板裏 不要なフラックスを取り洗浄後
C3A. 修理前 L側終段基板
C3B. 修理後 L側終段基板 TR(トランジスター)2個 半固定VR2個 電解コンデンサ−4個 フイルムコンデンサ−2個交換
C3C. 修理前 L側終段基板裏
C3D. 修理後(半田補正) L段基板裏 全ての半田をやり直す
C3E. 完成 L側終段基板裏 不要なフラックスを取り洗浄後
C3F. 使用していた半固定VR(5KΩ)の測定    1番下が新しい物
 
 
C3G. 使用していた半固定VR(200Ω)の測定    1番下が新しい物
 
 
C4A. 修理前 整流・プロテクト基板
C4B. 修理後 整流・プロテクト基板  SP接続リレー、電解コンデンサ−12個交換
C4C. 修理前 整流・プロテクト基板裏
C4D. 修理後(半田補正)後 整流・プロテクト基板裏 全ての半田をやり直す
C4E.完成 整流・プロテクト基板裏 不要なフラックスを取り洗浄後
C5A. 修理前 コントロール基板
C5B. 修理後 コントロール基板  TR(トランジスター)14個、FET(電界効果トランジスター)2個、電解コンデンサ−17個、フイルムコンデンサ−2個交換
           タンタル2個交換
C5B1. コントロール基板初段FET(電界効果トランジスター)の比較、交換したのはローノイズのGR
C5C. 修理前 コントロール基板裏
C5D. 修理後(半田補正) コントロール基板裏 全ての半田をやり直す
C5E. 完成 コントロール基板裏完成 不要なフラックスを取り洗浄後
C6A. 修理前 EQ−AMP基板
C6B. 修理後 EQ−AMP基板  TR(トランジスター)4個、電解コンデンサ−12個交換
C6C. 修理前 EQ−AMP基板裏
C6D. 修理後(半田補正) EQ−AMP基板裏 全ての半田をやり直す
C6E. 完成 EQ−AMP基板裏 不要なフラックスを取り洗浄後
C7. 修理中 前面パネルを外す方が、作業がしやすい
C7A. 修理前 TONE−VR基板裏
C7B. 修理(半田補正) TONE−VR基板裏 全ての半田をやり直す+不要なフラックスを取り洗浄後 
C7C. 修理前  SW基板裏
C7D. 修理(半田補正)後 SW基板裏 全ての半田をやり直す+不要なフラックスを取り洗浄後
C7E. 修理前 FILTERS−SW基板裏
C7F. 修理(半田補正) FILTERS−SW基板裏 全ての半田をやり直す+不要なフラックスを取り洗浄後
C7G. 修理中 SELECTOR−SWの接点洗浄、グリスを溶け出さないよう立てる、周りは「ボロ布」で覆う
C7H. 修理中 メインVRの接点洗浄、グリスを溶け出さないよう立てる、周りは「ボロ布」で覆う
C7I. 修理中 FILTERS−SWの接点洗浄、グリスを溶け出さないよう立てる、周りは「ボロ布」で覆う
C8A. 修理前 電解コンデンサー周り
C8B. 修理後 電解コンデンサー周り 電解コンデンサ−7個、経年変化を考慮して増強する
C8C. 修理前 左メイン基板コネクター周り
C8D. 修理後 左メイン基板コネクター周り 電解コンデンサ−2個交換
C9. パネル清掃
C9B. 後パネルを外し、ハンダ補正中
CAA. 修理前 上から見る
CAB. 修理後 上から見る
CAC. 修理前 下から見る
CAD. 修理後 下から見る
CB. 交換部品
E. 測定・調整
E1. 出力・歪み率測定・調整
    <見方>
     上左オーディオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出す(歪み率=約0.003%)
     下中=入力波形(オーディオ発振器のTTLレベル) 下右=周波数計
     上左=SP出力の歪み率測定 左メータ=L出力、右メータ=R出力
     上中=SP出力電圧測定器、赤針=R出力、黒針=L出力
     上右=SP出力波形オシロ 上=R出力、下=L出力(出力電圧測定器の出力)
E2A. 出力・歪み率測定・調整  出力=26V=84.5W 歪み率0.04% at=1000HZ AUX端子入力
E2B. 出力・歪み率測定・調整  出力=26V=84.5W 歪み率0.04% at=400HZ AUX端子入力
E3A. 出力・歪み率測定・調整  出力=26V=84.5W 歪み率0.04% at=1000HZ MM端子入力
E3B. 出力・歪み率測定・調整  出力=26V=84.5W 歪み率0.04% at=400HZ MM端子入力
E4A. 出力・歪み率測定・調整  出力=26V=84.5W 歪み率0.05% at=1000HZ MIC端子入力
E4B. 出力・歪み率測定・調整  出力=26V=84.5W 歪み率0.08% at=400HZ MIC端子入力
E5. 24時間エージング   対照的なAMPが仲良く並んでいる!
S. SANSUI AU−9500 の仕様(マニアル・カタログより)
型式 プリメインアンプ AU-9500 
定格出力 ミュージックパワー(IHF)=260W(4Ω、1kHz).
実効出力(片ch動作)=85W/85W(8Ω、1kHz).
実効出力(両ch動作)=80W+80W(8Ω、1kHz).
連続実効出力(両ch動作、定格歪率8Ω、20Hz〜20kHz)=75W+75W
全高調波歪率(定格出力) 0.1%以下
混変調歪率 0.1%以下(定格出力、70Hz=7kHz=4:1、SMPTE)
パワーバンドウィズ(IHF) 5Hz〜40kHz
周波数特性 3Hz〜80kHz、+0 -1dB(メインアンプ、1W出力時)
ダンピングファクター 50(8Ω)
入力感度/入力インピーダンス(1kHz) Phono1=2.5mV/50kΩ.
Phono2=2.5mV/30kΩ、50kΩ、100kΩ.
(最大許容入力 300mV、全高調波歪率 0.5%以下).
MIC=2.5mV/50kΩ.
Tuner、AUX(レベル調整可能)=100mV/50kΩ.
Tape Monitor1、2(PIN)(レベル調整可能)=100mV/50kΩ.
Tape Monitor2(DIN)=100mV/50kΩ.
4ch、N.R.Adaptor=100mV/50kΩ.
出力電圧/出力インピーダンス Tape Rec1、2(PIN)=100mV/1.5kΩ.
Tape Rec2(DIN)=30mV/70kΩ.
4ch、N.R.Adaptor=100mV/1.5kΩ.
プリアンプ(定格出力)=0.8V/1.5kΩ.
[最大出力、全高調波歪率 0.5%以下]:4.5V.
クロストーク(定格出力 1kHz) Phono1、2=50dB以上
ハム及びノイズ(IHF) Phono1、2=75dB以上.
Tuner、AUX=85dB以上.
メインアンプ=100dB以上.
トーンコントロール Bass(Defeat、150Hz、300Hz、600Hz)=±15dB(20Hz)、3dBステップ.
Midrange(Defeat、750Hz、1.5kHz、3kHz)=±5dB(1.5kHz)、1dBステップ.
Treble(Defeat、6kHz、3.5kHz、2kHz)=±15dB(20kHz)、3dBステップ.
ラウドネス(ボリューム -30dB) 50Hz:+10dB.
10kHz:+8dB.
ロー・フィルター 25Hz、50Hz:-3dB(12dB/oct).
ハイ・フィルター 12kHz、6kHz:-3dB(12dB/oct).
使用半導体 トランジスタ:58
FET:2
ダイオード:37
定格消費電力 205W(最大550VA)
外形寸法 幅500×高さ140×奥行347mm
重量 23.3kg
価格 123,000円(1972年10月発売当時).
135,000円(1975年頃). 
                       9500-b-1u 
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