Sansui AU−D907X Decade. 7台目修理記録
平成19年3月10日持込  5月27日完成
注意 このAMPはRL−SPのアース側にもAMPが入っています
    よって、AMPのシャーシにSPの線(アース側)を接続してはいけません、共通にしてもいけません、終段TRが死にます
このAMPは、下記の改造(基板CUT)の意味が、即答できる人に修理して貰いましょう。 配線は太く短くは原則。
  • A. 修理前の状況
       購入後、2〜3年使用後、7〜8年近く親戚に預けていた。 この時期使用頻度は少なかった模様。
       10年前に引き取り、月2〜3回 使用していたが、 3年ほど前に、電源が入らなくなってしまった。
        元々、引き取った時点で、電源が入るまでのランプ点滅時間が長くなった と感じたが、しばらくすると以前と同じくらいの時間で
       電源入る様になったが、 数年の再使用のうちに段々と点滅時間が長くなり、最終的に電源が入らなくなった。
       ソースは、主にLPレコード、CD、チューナー。
       レコードプレーヤーはオーディオテクニカ のMCカートリッジを、このアンプのMC入力で使用しておりました。
       上記症状が現れる前 には、ボリュームのガリなどはありませんでした。

  • AE. 仮修理後の測定

  • B. 原因
       経年変化でプリアンプ部電源回路故障

  • C. 修理状況
       SP接続リレー交換
       メインAMPのバランス/バイアス半固定VR交換。
       メインAMPの初段FET(電界効果トランジスター)交換。
       コントロールAMPの初段FET(電界効果トランジスター)交換。
       取り外し、各基板の半田不良を修理します、所謂、半田補正作業。
       チューナップの為、電解コンデンサーをオーディオコンデンサーに交換。
       フイルムコンデンサーをメタライズドフイルムコンデンサーに交換。
       入力切り替え表示ランプ交換。
       MODE−SW 交換。

  • D. 使用部品
       バランス/バイアス半固定VR 13mmΦ高級品      12個。
       FET(電界効果トランジスター)                   4個。
       SP接続リレ                               2個。
       電解コンデンサー(ミューズ使用)                 94個。
       フイルムコンデンサー                         4個。
       抵抗                                    2個。
       表示ランプ                                5個。
       MODE−SW                               2個。

  • E. 調整・測定

  • F. 修理費  95,000円    オーバーホール修理。

  • S. Sansui AU−D907X Decade の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況
A1A. 清掃前 底板
A1B. 清掃前 底板
A3. 点検中 上から見る
A3. 点検中 清掃後、上から見る
A4. 点検中 下から見る
AE. 仮修理後の測定
AE1. 出力・歪み率測定
    <見方>
   下段左端 オーディオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出し(歪み率=約0.003%)これをAMPに入力し、出力を測定
   下段中左 オシロ=入力波形(オーディオ発振器のTTLレベル)   下段中右上=周波数計
   上段左端 電圧計=L側出力電圧測定、黒針のみ使用
   上段中左 歪み率計=出力の歪み率測定 左メータ=L出力、右メータ=R出力
   上段中右 電圧計=R側出力電圧測定、赤針のみ使用
   上段右端 オシロ=出力波形 上=R出力、下=L出力(実際にはRL電圧計の出力「Max=1V」を観測)
   下段中右上 デジタル電圧計=出力電圧測定RLは切り替えて測定
AE2A. R側SP出力電圧34V=144W 歪み率=0.8% 測定レンジ=1% 1000HZ
AE2B. L側SP出力電圧34V=144W 歪み率=0.8% 測定レンジ=1% 1000HZ
C. 修理状況
C1. 後パネルを外し、SP接続リレー基板修理中
C1A. 修理前 SP接続リレー基板
C1B. 修理後 SP接続リレー基板。 SP接続リレー2個、電解コンデンサー14個交換
C1B1. 修理中 SP接続リレー比較 左=付いていた接点容量7A=8Ω出力だと392W定格
                           右=交換する接点容量10A=8Ω出力だと800W定格
C1C. 修理前 SP接続リレー基板裏
C1D. 修理(半田補正)後 SP接続リレー基板裏 全半田やり直し
C1E. 完成SP接続リレー基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C2A. 修理前 R側・初段ドライブAMP基板
C2B. 修理後 R側・初段ドライブAMP基板。 初段FET(電界効果トランジスター)1個、半固定VR2個、電解コンデンサー6個交換
C2C. 修理前 R側・初段ドライブAMP基板裏
C2C1. 修理前 R側・初段ドライブAMP基板裏。 接着剤による腐食、半田劣化が起きている。
               銅箔の劣化が大きいので、コンデンサーを表に移動する。
C2C2. 修理前 R側・初段ドライブAMP基板裏。 半田劣化部分。
C2D. 修理(半田補正)後 R側・初段ドライブAMP基板裏  全半田やり直し
                    写真紛失
C2E. 完成R側・初段ドライブAMP基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C2F. 修理前 L側・初段ドライブAMP基板
C2G. 修理後 L側・初段ドライブAMP基板 初段FET(電界効果トランジスター)1個、半固定VR2個、電解コンデンサー6個交換
C2H. 修理前 L側・初段ドライブAMP基板裏
C2H−1. 修理前 R側・初段ドライブAMP基板裏。 接着剤による腐食、半田劣化が起きている。
               銅箔の劣化が大きいので、コンデンサーを表に移動する。
C2I. 修理(半田補正)後 L側・初段ドライブAMP基板裏。  全半田やり直し
                    写真紛失
C2J. 完成L側・初段ドライブAMP基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C3A. 修理前 R・Lプロテクト基板
C3B. 修理後 R・Lプロテクト基板 電解コンデンサー4個交換
C3C. 修理前 R・Lプロテクト基板裏
C3D. 修理(半田補正)後 R・Lプロテクト基板裏  全半田やり直し
C3E. 完成R・Lプロテクト基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C4A. 修理前 メイン・ドライブAMP基板
C4B. 修理後 メイン・ドライブAMP基板 半固定VR4個、電解コンデンサー10個交換
C4C. 修理前 メイン・ドライブAMP基板裏
C4C1. 修理中 メイン・ドライブAMP基板裏。 差し込み基板半田付け中
C4C2. 修理中 メイン・ドライブAMP基板裏。 力のかかる所・熱の加わる所は銅箔の半田部部を広げる
C4C3. 修理中 メイン・ドライブAMP基板裏。 力のかかる所・熱の加わる所は銅箔の半田部部を広げる
C4D. 修理(半田補正)後 メイン・ドライブAMP基板裏 差し込み基板は未接続
C4E. 完成メイン・ドライブAMP基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C4F. 修理前 電源電解コンデンサー基板裏
C4F1. 修理前 電源電解コンデンサー基板裏。 左電解コンデンサーが液漏れしている。
C4G. 修理後 電源電解コンデンサー基板裏 電解コンデンサー2個交換
C4H. 完成電源電解コンデンサー基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C5. 前パネルを外し、コントロール基板等修理中
C5A. 修理前 定電圧基板 狭い場所に納めるため、コンデンサーをパラにしていた
                    下右の4個は使用していない
C5B. 修理後 定電圧基板
                     電解コンデンサー18個交換、フイルムコンデンサー4個増設。 コンデンサー容量は増量してある
C5C. 修理前 定電圧基板裏
C5D. 修理(半田補正)後 定電圧基板裏
C5E. 完成定電圧基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C6A. 修理前 コントロール基板
C6B. 修理後 コントロール基板 電解コンデンサー14個交換(BP多用の為減少)
C6C. 修理前 コントロール基板裏
C6C1. 修理中  コントロール基板裏 製作仕様書が悪く、VRの端子が他のラインの上にある、絶縁は塗料のみ。
C6D. 修理(半田補正)後 コントロール基板裏
C6E. 完成コントロール基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C7A. 修理中 入力表示基板。 LED全盛ですが、柔らかい光は電球のみ!
C7B. 修理前 入力表示基板裏
C7C. 修理(半田補正)後 入力表示基板裏。 ランプ交換。
C7D. 完成入力表示基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C8A. 修理中 モード切替SW基板
C8B. 修理前 モード切替SW基板裏
C8C. 修理(半田補正)後 モード切替SW基板裏  全半田やり直し
C8D. 完成モード切替SW基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C9A. 修理中 メインVR基板
C9B. 修理前 メインVR基板裏
C9C. 修理(半田補正)後 メインVR基板裏  全半田やり直し
C9D. 完成メインVR基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
CAA. 修理中 SP切替SW基板
CAB. 修理前 SP切替SW基板裏
CAC. 修理(半田補正)後 SP切替SW基板裏 全半田やり直し
CAD. 完成SP切替SW基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
CAE. 修理中 ヘッドホーン・ジャック基板
CAF. 修理前 ヘッドホーン・ジャック基板裏
CAG. 修理(半田補正)後 ヘッドホーン・ジャック基板裏 全半田やり直し
CAH. 完成ヘッドホーン・ジャック基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
CBA. 修理中 CD_Direct_RCA端子基板
CBB. 修理前 CD_Direct_RCA端子基板裏
CBC. 修理(半田補正)後 CD_Direct_RCA端子基板裏  全半田やり直し
CBD. 完成CD_Direct_RCA端子基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
CCA. 修理前 EQ基板
CCB. 修理後 EQ基板 初段FET(電界効果トランジスター)2個、半固定VR4個、電解コンデンサー20個(BPに交換したので2個減)交換
CCC. 修理前 EQ基板裏
CCC1. 修理中 EQ基板裏 交換する電解コンデンサーの足のピッチが異なるので穴あけする
CCD. 修理(半田補正)後 EQ基板裏  全半田やり直し
CCE. 完成EQ基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
CDA. 修理前 SW基板 左の円筒はMCトランス
CDB. 修理後 SW基板 低レベルの配線は固定する
CDC. 修理前 SW基板裏
CDD. 修理(半田補正)後 SW基板裏  全半田やり直し
CDE. 完成SW基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
CE.パネルの修理中 念のため、接着する
CF. パネル清掃
CG. 交換部品
CHA. 修理前 上から見る
CB. 修理後 上から見る
CC. 修理前 下から見る
CD. 修理後 下から見る
E. 調整・測定
E1. 調整後の出力/歪み率測定
    <見方>
     上左オーディオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出す(歪み率=約0.005%)
     下中=入力波形(オーディオ発振器のTTLレベル) 下右=周波数計
     上左=SP出力の歪み率測定 左メータ=L出力、右メータ=R出力
     上中=SP出力電圧測定器、赤針=R出力、黒針=L出力
     上右=SP出力波形オシロ 上=R出力、下=L出力(出力電圧測定器の出力)
E2A. R側SP出力39V=190W 歪み率=0.03% 1000HZ AUX入力
E2B. R側SP出力39V=190W 歪み率=0.02% 400HZ AUX入力
E2C. L側SP出力39V=190W 歪み率=0.03% 1000HZ AUX入力
E2D. L側SP出力39V=190W 歪み率=0.02% 400HZ AUX入力
E3A. R側SP出力39V=190W 歪み率=0.02% 1000HZ MM入力
E3B. R側SP出力39V=190W 歪み率=0.02% 400HZ MM入力
E3C. L側SP出力39V=190W 歪み率=0.03% 1000HZ MM入力
E3D. L側SP出力39V=190W 歪み率=0.02% 400HZ MM入力
E4A. R側SP出力39V=190W 歪み率=0.02% 1000HZ Low_MC入力
E4B. R側SP出力39V=190W 歪み率=0.03% 400HZ Low_MC入力
E4C. L側SP出力39V=190W 歪み率=0.03% 1000HZ Low_MC入力
E4D. L側SP出力39V=190W 歪み率=0.03% 400HZ Low_MC入力
E6.    24時間エージング
S. Sansui AU−D907X(Decade) の仕様(マニアル・カタログより) 
型式 インテグレーテッドDCアンプ AU-D907X(Decade)
パワーアンプ部 Xバランス・アンプ(Twin Diamond Balanced Drive Amp)方式
実効出力(両ch駆動) 180W+180W(6Ω、10Hz〜20kHz)
160W+160W(8Ω、10Hz〜20kHz)
250W+250W(4Ω、1kHz)
210W+210W(6Ω、1kHz)
180W+180W(8Ω、1kHz)
全高調波歪率 0.003%(8Ω、10Hz〜20kHz、実効出力時)
0.005%(6Ω、10Hz〜20kHz、1/2実効出力時)
混変調歪率(60Hz=7kHz=4=1) 0.003%(8Ω、実効出力時)
出力帯域幅(IHF、両ch動作、THD0.03%) 5Hz〜80kHz
ダンピングファクター(新IHF、20Hz〜20kHz) 100(6Ω)
周波数特性(1W) DC〜300kHz +0 -3dB
エンベロープ歪 測定限界以下
TIM歪(Sawtooth法) 測定限界以下
スルーレイト ±300V/μsec(6Ω)
ライズタイム 0.5μsec
イコライザーアンプ部(Hi-Precisionイコライザー)
入力感度/入力インピーダンス(1kHz) Phono MM=2.5mV/47kΩ
Phono High MC=2.5mV/100Ω
Phono MC Low=100μV/3.2Ω(MCトランス採用)
Phono MC High=300μV/40Ω(MCトランス採用)
CD、Tuner、Tape1、2=150mV/47kΩ
Phono最大許容入力(1kHz、THD 0.01%) MM=300mV
High MC=300mV
MC High=35mV(トランス方式)
出力レベル/インピーダンス Tape rec=150mV/600Ω
RIAA偏差(MM、Rec out) 20Hz〜300kHz ±0.2dB
SN比(Aネットワーク、ショートサーキット) Phono MM=90dB
Phono MC=80dB以上(100μV)
CD、Tuner、Tape=110dB
トーンコントロール Bass最大変化量=±10dB(20Hz)
Treble最大変化量=±10dB(20kHz)
トーンセレクター Bass=100Hz、200Hz
Treble=4kHz、8kHz
サブソニックフィルター 16Hz(-3dB、6dB/oct)
オーディオミューティング -20dB
総合
定格消費電力(電気用品取締法) 370W
外形寸法 幅466x高さ161x奥行431mm
重量 20.5kg
価格 189,000(1984年発売)
                     d907xd72z
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